中小零細企業のデザインマネジメントでは、部署間が一体となることが重要だと上述しました。このときすでにデザインマネジメントを実践済みの環境にあたるからです。しかし、それだけでは大きな成果には繋がりません。
中小零細企業のデザインマネジメントの一番の成功の鍵は、トップである経営者がデザイン思考を身につける、あるいは経営指針として示すことにあります。
経営者はデザイン思考を受け入れ、デザイン思考が発揮されやすい環境を整える必要があり、時には今までの伝統すらも変える必要が出てくるかもしれません。
全世界で100年以上存続している会社は、約3,000社あることがEvernoteの調査でわかりました。そのうちの80%は日本の企業だそうです。中には200年以上続く会社もあります。企業が長く存続できる理由は、時代に合わせてビジネスモデルを柔軟に変更することができていたからです。そのことから、日本人は変化に対応する能力が備わっていることが分かります。
日本人にはデザイン思考の基本となる、「洞察」「観察」「共感」というプロセスを繰り返すことができる企業文化が根付いていました。つまり、商品・サービスをお客様の目線で考えられるということです。デザイン思考とは本来、日本人向きの思考の型であり、以前から無意識下で同じ思考の型をしていた人が多いのかもしれません。