COP29(第29回気候変動枠組条約締約国会議)が、11月11日から22日までアゼルバイジャンのバクーで開催されています。この会議では、気候変動対策に関する重要な議題が多岐にわたって議論されています。今回の主なトピックは、気候資金(先進国が提供する途上国の気候変動対策資金)に関する新たな目標の設定、2035年の削減目標に向けた機運の醸成、各国間で排出削減クレジットを取引する炭素市場のルール交渉などです。また、日本はCOP29において、再生可能エネルギーの導入拡大や石炭火力発電の段階的廃止など、国内外での気候変動対策を強化する方針を示していますが、具体的な目標設定や実施計画の策定が求められています。
現在、日本国内ではガソリン価格の高騰に対する物価対策として、燃料油価格激変緩和補助金、いわゆる「ガソリン補助金」が導入されています。この政策は、ガソリン価格の急激な上昇を抑制し、家計や企業の負担を軽減することを目的としています。しかし、この補助金政策には環境問題への影響が指摘されています。本来、エネルギー価格が上昇すると、消費者や企業にはエネルギー消費を抑制しようとするインセンティブが働きます。具体的には、エネルギー消費が相対的に少なくなる電気自動車(EV)や再生可能エネルギーへの移行を促進することに繋がることも期待されます。一方、ガソリン価格が補助金によって抑制されると、消費者は価格上昇の影響を受けにくくなり、ガソリンの消費量が増加する(減少しない)可能性があります。そして、政府が気候変動対策として進めている温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの普及推進と逆行する動きでもあります。
経済政策は特定の目的のために実行されますが、しばしば副次的な影響が発生します。特に、環境問題は経済政策によってトレードオフの効果を受けることが少なくありません。経済政策がもたらす影響について、俯瞰的な視点で把握することも意識したいところです。