ラクスル株式会社(東京都品川区)は、銀行サービスを含む金融プラットフォーム事業の新規参入に向けた検討を開始することを今年9月に発表しました。ラクスルはネット印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」の運営を通じて事務印刷や販促活動に必要な印刷物・グッズ類を提供しており、中小企業や個人事業主を中心とした顧客基盤で、累計登録ユーザーが260万人を超えるプラットフォームになっています。中小企業、個人事業主の方が利用しやすいようサービスを開発・提供していますが、顧客インタビューを行う中で、口座の新規開設、振込手数料をはじめとする決済業務に多大な時間と費用を要しているなどの悩みが浮き彫りとなったといいます。中小企業・個人事業主・サプライヤーにとって圧倒的に便利で経済合理性の高い決済体験を提供することで、財務の負担を軽減し、本業に集中できる環境作りを目指すとしています。
金融プラットフォーム事業の新規参入に向け、ラクスルは住信SBIネット銀行が提供するフルバンキングBaaS(Banking as a Service)の「NEOBANK」を活用します。BaaS(Banking as a Service)とは、銀行が提供する機能やサービスをAPIを介して他の企業が利用できるようにする仕組みです。これにより、非金融企業でも自社のサービスに銀行機能を組み込むことが可能となり、ユーザーにシームレスな金融体験を提供できます。NEOBANKの利用企業数は、2024年中に20社になるといいます。他にも、BaaSを提供している銀行はいくつかあります。
ラクスルは、自社のプラットフォームに決済機能を組み込むことで中小企業、個人事業主の利便性を高め、これらの属性の取り込みを狙っています。一方、すでに中小企業・個人事業主の会計業務の効率化に貢献している企業としては、フリー、マネーフォワードといった、中小企業、個人事業主に対してクラウド会計や経費精算、給与計算などのサービスを提供する企業があります。これらの企業は、クレジット会社との連携で決済業務へ進出しており、今後さらに機能を拡大してくる可能性があります。また、資金調達に関する支援が強化されるという観測もあり、これら企業間による競争によって、中小企業、個人事業主にとって使い勝手が良く、業務効率化や事業成長に貢献するようなサービスが多く生み出されることが期待されます。