今日はジョブカードについて
メルマガ第550号をお送りします。
 
この550号ではジョブカードを、次の551号ではjobtagを取り上げます。これら2つの制度は学科試験で毎回のように出題されているので最大4点を得点できることも重要ですが、論述試験と面接試験の口頭試問で非常に使い勝手が良いことから是非マスターしてください。
目次
1.【動画解説】キャリコン試験:合格を掴む3つの柱(キャリ協)のご紹介
2.ジョブカードについて
3.問題練習
4.論述試験・面接試験でのジョブカードの使いどころ

【動画解説キャリコン試験:合格を掴む3つの柱(キャリ協)のご紹介

キャリアコンサルタントの実技試験、特に15分のロールプレイに不安を抱える人に向けて、合格に必要な3つのポイントを解説する7分43秒の動画をご紹介します。

この動画では、試験官が何を評価しているのか、その不安を解消し、自信に変えるための具体的な方法が説明されます。合否を分けるのは、テキストの知識ではなく、実践力。そして、その実践力は3つの柱から総合的に判断されます。


まず1つ目の柱は、相談者との信頼関係を築く「態度」。相手の感情に合わせたトーンで接し、安全な場を提供することが重要だと述べられています。


2つ目は、面談を深める「展開力」。相談者の表面的な悩み(来談目的)の奥にある、真の課題を見抜き、自己洞察を促すことの重要性が解説されています。


そして3つ目は、ロールプレイ後の口頭試問で行われる「自己評価」。自分の面談を客観的に分析し、「できたこと」「できなかったこと」「今後の改善点」を具体的に説明する力が試されると説明されています。


最後に、これら3つの柱を支える中心的な要素として「能動的傾聴」が挙げられ、テクニックではなく、相手の世界観に深く入り込む姿勢そのものが合格への鍵であると締めくくられています。

※この動画は夢ロープレ研究室が蓄積した学習コンテンツをNotebook LMの動画解説機能を使って作成したものです。そのため、内容は夢ロープレ研究室のカリキュラムに基づいたものです。

▼動画ヘは以下のボタンをクリック

キャリコンのための「学習ポータル」はキャリコン試験対策、資格取得後の自己研鑽につながる多くのコンテンツを提供しています。今後も続々とコンテンツを提供していきます。是非ブックマークしてください。

キャリコンのための「学習ポータル」
https://career-c.sognoplanning.com/?page_id=55
ジョブカードについて
まずジョブカード講習テキストの入手と活用を
ジョブカードでは「ジョブ・カード講習テキスト」というテキストが公開されています。養成講座を受講された方は教材の中に入っていますが、実務経験者資格で受験される方は必ず入手されることをお勧めします。
 
いろいろな方の話を聞くと、このテキストは余り活用されていないようですが、実に良くできています。特に第Ⅰ部のキャリアコンサルティング編は是非一度通して読んでみてください。わずか66ページですから大した負荷ではないと思います。
 
第Ⅱ部以降もロープレの実施方法、具体的なロープレの逐語記録等参考になる情報が満載です。騙されたと思って一度ざっと読みしてください。知りたかった情報が載っていることに気付くと思います。

テキストは電子データで取り寄せいつでも見ることができる状況にするとベストです。

ジョブ・カード講習テキストは以下の厚生労働省のサイトからダウンロードが可能です。https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/jobcard_system/jobcard_koshu/pdf/text_seido-H3010-all.pdf
ジョブカードの目的

①生涯を通じたキャリア・プランニング
キャリアコンサルティング等の支援の前提となる個人の履歴や、支援を通じた職業経験の棚卸し、職業生活設計等の情報を蓄積し、訓練の受講、キャリア選択等の生涯のキャリア形成の場面において活用する「生涯を通じたキャリア・プランニング」のツール

②職業能力証明
免許・資格、教育(学習)・訓練歴、職務経験、教育・訓練成果の評価、職場での仕事振りの評価に関する職業能力証明の情報を蓄積し、場面・用途等に応じて情報を抽出・編集し、求職活動の際の応募書類、キャリアコンサルティングの際の資料等として活用する、職業能力を見える化した「職業能力証明」のツール

ジョブカードの構成
<3様式>
様式1 キャリア・プランシート
様式2 職務経歴シート
様式3 職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート
様式1 キャリア・プランシート
 
キャリア・プランシートとは、自分が大事にしたい価値観や自分の「強み」と「弱み」を把握したうえで、今後、どのように仕事を続け、どのような働き方や生き方をしていくかについて目標を設定し、その目標達成のためにどのように取り組むか等、キャリア形成のための基本計画を記入するシートです。 就業経験がある方用と就業経験のない方、学卒者等用に分類されています。
様式2 職務経歴シート
 
相談者自身の職務経歴を順番に記載するシートです。キャリア・プランシート作成時の資料、求職時の応募書類等として活用します。  求職者、訓練受講生、在職者が職務経歴の棚卸しを記載する統一の様式です。 
様式3 職業能力証明シート

相談者の免許・資格、教育(学習)・訓練歴、教育・訓練成果の評価、職場での仕事振りの評価に関する職業能力証明の情報を記載し、求職活動の際の応募書類、キャリアコンサルティングの際の資料等として活用するシートです。  免許・資格用、学習歴・訓練歴用、訓練成果・実務成果用に分類されています。 
問題練習
【設問1】次の文は正しいか、間違っているかを答えよ。 
  1. ジョブカードは自分の能力や職業意識を整理することができ、職業人生設計を容易にする。
  2. ジョブ・カードには、職業能力証明は含まれないため、職業能力開発には活用が難しい。
  3. ジョブカードは目標、職業能力開発の必要性が明確になり、職業能力開発の効果を高めることが期待できる。
  4. ジョブ・カードは、労働市場インフラとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用するものである。
  5. ジョブ・カードの作成支援は、キャリアコンサルタントの資格を有したジョブ・カード作成アドバイザーが行うこととされている。
  6. ジョブ・カードに記入された内容については、本人が偽証していた場合であっても、ジョブ・カード作成アドバイザーが責任を問われることがある。
  7. ジョブ・カードを作成する際は、必ず同時にキャリアコンサルティングを受ける必要がある。
  8. 資格以外にも自分の PR ポイントが明確になり、求職時の職業能力の証明を容易にする。
  9. ジョブ・カード制度総合サイトでは、ジョブ・カード制度の解説や、学生・求職者等の立場でジョブ・カードがどのように活用されているかを紹介する動画が掲載されている。
  10. ジョブ・カード利用者が自己理解や仕事理解不足で記入に困っているときは、ジョブ・カード作成アドバイザーが利用者に問いかけながら記入するとよい。
解答
1:〇
2:✖
ジョブカードには職業能力証明シートがありますので間違いです。
3:〇
4:〇
5:✖
現状はキャリアコンサルタント登録者、ジョブカード作成アドバイザー登録者ともジョブカードの作成支援を行うことが可能でが、両方の資格登録を行うことは必要とされていませんので、片方の資格でOKです。 
但し、ジョブカード作成アドバイザー資格は既に新規登録の受付は終了しており2024年3月31日で全ての登録者が期限を迎えますので、2024年4月1日以降はジョブカード作成支援ができるのはキャリアコンサルタント登録者、教員(学生に対して支援を行う場合)、職業訓練指導員(職業訓練の実施に伴い支援を行う場合)のみとなります。
6:✖
ジョブカード作成アドバイザーには事実確認までは求められていませんので誤りです。
7:✖
雇用保険を受給できる人や高等学校卒業者等を対象とした公共職業訓練の 受講者に対しては、訓練期間中に、ジョブ・カードを作成し、キャリアコン サルティングを受ける必要がありますが、それ以外のケースでは必ずしもキャリアコンサルティングは必要ではありません。
8:〇
9:〇
10:✖
ジョブカードはアドバイザーが問いかけをしながら自分自身で記入してもらう方が良いとされています。アドバイザーが記入するものではありませんので誤りです。
【設問2】次の文は正しいか、間違っているかを答えよ。 
  1. ジョブ・カード作成支援 WEB/ソフトウェアにより、ジョブ・カード作成のための支援を受けながら、ジョブ・カードを作成、編集、印刷することができる。
  2. ジョブ・カードは、労働者等の個人がキャリアコンサルタント等と一緒に作成しなければならない。
  3. 応募書類として活用されるジョブ・カードの情報は、労働者本人の意思により提出されるものであり、本人の意思に反して提出を求めることはできない。
  4. ジョブ・カードは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」と「人事考課」の両方の機能を担うツールである。
  5. ジョブ・カードは、作成者である相談者自身が管理するものであるため、原則としてジョブ・カード作成アドバイザーは管理しない。
  6. ジョブ・カードの作成を支援する者は、ジョブ・カード講習を受講しジョブ・カード作成アドバイザーとして登録した者に限られる。
  7. ジョブ・カードは、個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進するために活用できる。

  8.  ジョブ・カードは、インターンシップやキャリア教育等の状況、自らの目標等を記入することにより、学生自らのキャリア・プランニング等のためのツールとして活用できる。

  9.  ジョブ・カードを使って、個人の履歴や、支援を通じた職業経験の棚卸し、職業生活設計等の情報を蓄積することができる。

  10.  ジョブ・カードを活用し、従業員の職場での仕事ぶりについて評価できるが、企業の人材の育成や確保には効果が薄い

解答
1:〇
2:✖
キャリアコンサルタント等と一緒に作成しなければならないは間違い。給付金申請等で要件としてジョブカードの提出がある場合はキャリアコンサルタントの署名が必要、というルールと混同しないようにしましょう。
3:〇
4:✖
ジョブカードに「人事考課」の機能はありません。
5:〇
6:✖
ジョブ・カードの作成を支援する者は、キャリアコンサルタント登録者、教員(学生に対して支援を行う場合)、職業訓練指導員(職業訓練の実施に伴い支援を行う場合)なので誤りです。
7:〇
8:〇
9:〇
10:✖
マイ・ジョブカードでは「企業関係者の方へ」として以下のことが書かれています。この内容は問題文の内容と合いませんので誤りです。

➀採用強化・マッチング向上
ジョブ・カードを応募書類として活用すると、職業能力や強みなどが決められた様式によって得ることができるため、ミスマッチ防止や採用後の定着につながります。
②人材育成・人事評価

ジョブ・カードの活用やセルフ・キャリアドックの導入により、定期的なキャリア開発や職業能力開発が実現できます。若手・中堅社員の研修制度が整備されていない企業においても、計画的な人材育成と能力評価が可能になります

③社員のモチベーションアップ・定着促進

キャリア研修やキャリアコンサルティングなど、キャリア形成支援を行うことで、今後のキャリアパスを見通し、今の仕事の意味や価値を理解することができます。仕事や能力開発への意欲を高め、定着を促進する効果が期待できます。

論述試験・面接試験でのジョブカードの使いどころ
論述試験・面接試験とも最終的に受験者の今後のコンサルティングの進め方について問われます。その中でアセスメントツール等何らかの道具立てを使ってコンサルティングをよりリアルにすることが高得点をとるために重要なポイントになります。 
 
その時に役立つのがジョブカードとjobtag(職業情報提供サイト:日本版O-NET)です。ジョブカードは自己理解不足と仕事理解不足の両方の対策に使えますし、jobtagは仕事理解不足と情報不足の対策に使えます。 それではとりあえず回答にジョブカードを入れておけば良いのかといえば、そうではありません。何のためにジョブカードを使うのかが明確にならないと評価にはなりません。
 
1)キャリ協版論述試験 問4の解答例 
 
解答➀(前略)自己理解不足の対策としてジョブカードを使い、仕事理解不足の対策としてjobtagを使ったコンサルティングを行っていく。そして自己理解・仕事理解が進んだ段階で今の相談者の悩みを見つめ直してもらい、自身での課題の解決につながるよう支援していく。
 
 解答②(前略)ジョブカード作成を支援することで相談者自身の価値観を言語化し自己理解を進める。そしてjobtagを利用しながら相談者との相談を進め、相談者自身が業務を客観視することで仕事理解を進めていくことを考えている。そして自己理解と仕事理解が進んだ相談者と改めて直面する課題とどう取り組むかを一緒に考え、自身での課題の解決につながるよう支援していく。  
 
いかがでしょうか?同じような趣旨のことを書いていますが、解答➀では何となく取って付けた感が感じられます。もっとも主訴とマッチしているのであればこれでも十分の合格点はとれると思っています。
 
解答②は価値観の言語化、業務の客観視化という使う目的が書かれています。このことによってキーワードとしてジョブカードとjobtagを機械的に使ったのではなく、キャリアコンサルティングの方針に基づいてツールとしてジョブカードとjobtagを選択した、という立場をアピールすることができます。

2)ロープレ試験 今後のキャリアコンサルティング方針

応答例(前略)相談者が今の仕事にやりがいを感じず、仕事を続けることが苦しいということは仕事に対する自身の価値観が分かっていないという点で自己理解不足であり、自分自身が行っている仕事の重要性を理解していないという点で仕事理解不足が考えられます。 
 
その解決手段の第1ステップとしてジョブカード作成によって自身の価値観を整理し実施してきた業務を棚卸しを行うことで自己理解と仕事理解を進めたいと考えています。
 
合わせてjobtagで相談者の仕事や相談者が興味がある仕事の職業情報を入手し仕事理解の助けとしたいと考えます。
 
それらを進めた後で、改めて相談者に「今の仕事を続けるのが苦しいが、どうしたら良いか分からない」という来談目的に立ち返って頂き、自分自身で道をみつけられるよう支援していきたいと考えています。
 
正解が明確になっていない試験なので、難しい部分がありますが、夢ロープレで目指している合格ライン60%に対し70%を目指す、という立場から見ると、この内容で十分に行けると考えています。
メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第493号) 
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh

アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
本メールは info@sognoplanning.com よりinfo@sognoplanning.com 宛に送信しております。
〒220ー0004 神奈川県横浜市西区北幸1丁目11番1号水信ビル7F,


全てのメーリングリストから配信を停止する。 配信停止 | 登録情報更新