今日は六角形のホランドです
メルマガ第532号をお送りします
 
本日はホランドをご紹介します。今回はホランドのRIASECがベースにあるアセスメントツールを合わせて紹介しています。
  1. JCDA論述試験の変容を読み解く
  2. ジョン・ホランド
  3. ホランドの理論(RIASEC)
  4. ホランドの理論がベースにあるアセスメントツール
  5. 実践!ホランドの理論を用いたキャリアコンサルティングの進め方
JCDA述試験の変容を読み解く
——2025年度からの新傾向と、合格へ向けて不可欠な視点

国家資格キャリアコンサルタント試験、とりわけJCDAでの合格を目指し、日々研鑽を積まれている皆様。2025年度に入り、論述試験の形式が大きく様変わりしたことに、戸惑い、あるいは危機感を感じておられる方も少なくないでしょう。

 

これまでの「定番の解き方」が通用しなくなった背景には、試験機関側の明確なメッセージが込められています。最新の試験傾向を振り返り、私たちが今、どのような姿勢で試験に臨むべきかを探っていきましょう。

 

1. 設問構成の集約——問われるのは思考の密度

最も大きな変化は、設問が4問から3問へと集約された点にあります。単に回答数が減ったという表面的な理解ではなく、一問一問に求められる思考の密度が格段に上がったと捉えるべきでしょう。

 

特に注視すべきは問い2の変更です。かつては特定の応答に対し、適切か否かを二者択一で判断する形式でしたが、現在は相談者の抱える問題とその根拠を、受験者自身の言葉で具体的に論述する形式へと進化しました。これは、正解を「選ぶ」力ではなく、逐語録から事実を「見出す」力が厳格に問われていることを意味します。

 

2. 経験代謝の体現と論理的根拠の追求

なぜ、これほどまでに記述の比重が高まったのでしょうか。その背景には、JCDAが掲げる経験代謝のプロセスを、より高いレベルで体現してほしいという意図があります。

 

単なる推測で問題を特定するのではなく、逐語記録という事実に基づき、相談者の自己概念をどう捉えたのか。その論理的プロセスを言語化する力が求められているのです。また、最後の設問が「相談者の成長に向けて」という表現に変わった点も見逃せません。これは、単なる課題解決にとどまらず、一人の人間としての変容を促すというJCDAの哲学を、より色濃く反映させた結果といえるでしょう。

 

3. 専門性の確立と客観性の担保

もう一つの視点は、キャリアコンサルティング協議会(キャリ協)との差別化です。システマティック・アプローチを主体とする協議会に対し、JCDAは意味付けの変容を重視します。この独自性を試験形式として明確に打ち出すことで、JCDA流のプロフェッショナルとしての専門性を証明しようとしています。

 

設問を問題と根拠に切り分けた意図は、採点の透明性と客観性を高める狙いもあると考えられます。裏を返せば、合格基準がより明確になったということであり、私たちには「なんとなく」ではない、精緻な読み解きが求められています。

 

結びに:型を超えた先にある合格

これからの対策において、技術的な型を覚えることは、もはやスタートラインに過ぎません。大切なのは、相談者の語りの背後にある自己概念を、確かな根拠を持って特定する眼差しを養うことです。

 

逐語の一行一行に真摯に向き合い、相談者の内面を丁寧に読み解く。その地道な訓練こそが、合格への一番の近道であり、実務においても信頼されるコンサルタントへの第一歩となります。

ジョン・ホランド (1910〜2008)

六角形で有名なホランドです。生まれた年は1人めのスーパーと一緒です。 人のパーソナリティーを実証的に調べていき、六つの特性(RIASEC:リアセック)に分類したのが有名な六角形です。

「職業分類辞典(DOT)」「職業レディネステスト(VRT)」などの診断ツールの基礎となった理論です。 

ホランドはご存知の通りの六角形と各種の診断ツールを生み出したことで有名です。

出題傾向は、このところ大問が連続しています。過去には選択肢の1つのような形で出題されることが多かったのですが、28回、29回、30回と3回連続で大問で出題されています。また、下表を見て頂くと分かりますが出題頻度も高いです。

過去の問題を見ると、12回と21回が大問で全く同じ問題が出題されていたり、選択肢で出された場合も似たような切り口の問題の繰り返しなので、新しい切り口の問題は出てこないかな?と感じています。実際第30回で出題されたのは「RIASEC」やホランドんの理論に関する基本的知識を問う問題でした。理論がシンプルなので、出題されたら確実に得点したい理論家です。

ホランドの理論(RIASEC)
パーソナリティの6つのタイプ

パーソナリティ(個人の職業興味)の分類は以下の6つです。下の図のようにそれぞれの類型は相互に関係があります。試験問題では「独立した6つの類型」と書いて間違いの選択肢を作っていますのでご注意ください。

 

現実的タイプ(Realistic)

物や道具を扱うことを好み、秩序や組織的な活動を好む。技術関係の仕事に向いている。
研究的タイプ(Investigative)

数学、物理、生物などに興味があり、好奇心が強く学者肌。物事の分析、意見を明確に表明する。
芸術的タイプ(Artistic)

慣習にとらわれず、創造的。繊細で感受性が強く、独創的な発想が得意。創造的な職業を好む。
社会的タイプ(Social)

対人関係を大切にし、教育、人の援助などの仕事を好む。社会的な活動にも積極的。
企業的タイプ(Enterprising)

リーダーシップを取り、目標達成を好む。説得を得意とし、野心的な活動を好む。
慣習(習慣)タイプ(Conventional)

データなどの情報を体系的にまとめるのが得意。責任感があり、緻密な活動を好む。

【環境の6つのタイプ】

環境(職場の環境)の分類は以下の6つです。パーソナリティの6つのタイプ(類型)は問題ありませんが、ホランドは環境も同様の視点で分類しています。このことを問う問題が出されていますので注意が必要です。

 

現実的環境 : 具体的な指示に従って組織的に活動することが多い。
研究的環境 : 観察し、組織的・創造的な研究をすることが多い。
芸術的環境 : 非組織的な活動や芸術的な創作活動が多い。
社会的環境 : 支援や教育などの他人への働きかけをすることが多い。
企業的環境 : 目標を達成させるなど、他人への働きかけをする場合が多い。
慣習的環境 : 整理や計画など明確で順序だった仕事が多い。

ホランドの理論がベースにあるアセスメントツール
VPI職業興味検査
VPI職業興味検査はもともとアメリカで開発された検査で、職業興味(RIASEC)と傾向尺度を用いて、キャリアプランニングや進路選択の際に自己理解や職業理解を深めるために役立てられます。

検査実施には以下のようなメリットがあるとされています。

  • 検査対象者の興味を明らかにしていく過程を通して無理なく職業の世界への関心を高めることができる
  • 興味を手掛かりに、たくさんの職業の中から効率よく職業探索をすることができる
    興味を生かせそうな職業領域や職業例の情報を得ることができる
  • この検査を開発したHolland,J.L.(ホランド)の研究成果(RIASECの6つのタイプ)を生かして個人のタイプを分析することができる

主にこれから就職を考える大学生や求職中の方を対象に実施されます。実施時間は採点を含めて20分程度で、就職活動に際し、自分の職業への興味・関心がどのような傾向を持つのか、改めて確認し、整理するために役立ちます。

 
検査結果の評価(スリーレターコードと関係性)
◇スリーレターコード
6つの分類のうち上位の3つを使って性格を表すようにしたもの。6つから3つ選択のために120通りの組合せがあります。IAS(研究的-芸術的-社会的)のように表して、被検者の性格を見えるようにします。
 
◇関係性
検査結果をスリーレターコードに表したものの分析に用いるのが、「一貫性」と「分化」「未分化」です。これらを用いて分析結果を解釈します。
 
●一貫性
 六角形上で距離が近いほど(隣)心理的類似性が高く一貫性がある。
 逆に離れているほど(対極)一貫性がない
●分化
 特定のタイプの数値が高く、他のタイプの数値が低い状態が分化。
 (傾向がはっきり出ている)
 すべてが値が高い、逆にすべての値が低い状態のことが未分化。
 (傾向が見いだせない)
学習ポータル連携との連携記事(無料!)

☆VPI職業興味検査ガイド:あなたの「好き」をキャリアの地図にする 
https://career-c.sognoplanning.com/?page_id=2884
 
他にも役に立つ情報が満載!
キャリコンのための学習ポータル
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職業レディネステスト
職業レディネス・テストは、中学生から大学生まで、そして社会人が自己の進路を探求し、将来の職業や生き方を考えることを援助するために開発された検査です。
 
 生徒の職業に対する準備度(レディネス)を把握し、生徒が職業に関する自分のイメージをチェックしたり、進路選択への動機付けを促したりすることができます。

「職業興味」を測定するA検査と「基礎的志向性」を測定するB検査、「職務遂行の自信度」を測定するC検査から構成されています。


A検査:職業興味を6つの職業領域について測定し、プロフィールで表示。
B検査:職業への興味関心の基礎となる志向性を測定、3つの方向性によるプロフィールで表示。
C検査:職務遂行の自信度を6つの職業領域について測定、プロフィールで表示。 
OHBYカード
「OHBYカード」は、カード式の職業情報ツールです。カードを分類したり、並べ替えたりといった作業をすることで、自分の職業興味を知り、関心のある職業やこれまで知らなかった職業を知ることができます。収録職業は48個と少ないですが、トランプにいろいろな遊び方があるように、様々な活用ができます。

実践!ホランドの理論を用いた

キャリアコンサルティングの進め方

〜検査結果を「対話」に変える4つのステップ〜

キャリアコンサルティングの現場において、ジョン・ホランドの「職業選択の理論(RIASEC)」は最もポピュラーなツールのひとつです。ただ、単にクライアントにタイプを伝え、「あなたはこの仕事が向いています」と提示するだけでは、十分な支援とは言えません。

本記事では、VPI職業興味検査やSDS(自己探索)などの検査結果が出た「後」、どのようにコンサルティングを展開すべきか、具体的なプロセスの進め方を解説します。


ステップ1:結果の受容と自己認識の確認(主観との照合)

検査結果が出たら、まずはコンサルタントが解説する前に、クライアント自身がその結果をどう感じているかを確認することから始めます。検査結果はあくまで「仮説」であり、クライアントの「納得感」が最も重要です。

<具体的な問いかけ例>

  • 「この結果(3レターコード)を見て、率直にどう感じますか?」
  • 「ご自身の予想と合致していた部分はどこですか?」
  • 「逆に、違和感を感じる部分はありますか?」

ここで「違和感」が出た場合こそ、深掘りのチャンスです。「なぜその検査項目を選んだのか」や「過去の経験」を問いかけることで、隠れた価値観や、本来の興味が環境によって抑圧されていないかを探ることができます。

 

ステップ2:六角形モデルを用いた構造的理解

次に、ホランドの六角形モデルを用いて、興味の構造を分析します。ここでは単なるタイプ判定だけでなく、以下の3つの観点に着目してフィードバックを行います。

1. 一貫性の確認

クライアントのトップ2〜3のタイプ(コード)が、六角形上で隣り合っているか、対角線上にあるかを確認します。

  • 隣接している場合: 興味の方向性がまとまっており、キャリアの軸が定まりやすい状態です。

  • 対角にある場合(例:芸術的(A)と慣習的(C)): 一見矛盾する興味を持っています。これは葛藤の原因にもなりますが、ユニークな強み(例:クリエイティブかつ几帳面)になり得るポイントです。「この異なる二面性を、過去の仕事でどう使い分けてきましたか?」と問いかけます。

2. 分化の度合い

数値の「高いもの」と「低いもの」の差が明確かを見ます。

  • 未分化(全体的に平坦): 経験不足や自己理解がまだ進んでいない可能性があります。この場合、職業選択を急ぐのではなく、まずは多様な経験を積むことや、興味の棚卸しを優先します。

 

ステップ3:環境との「一致(Congruence)」の検討

ここがコンサルティングのポイントです。個人のパーソナリティ(P)と、職業環境(E)のマッチングを行います。

A. 現職との比較

現在の仕事(または直近の仕事)の環境コードと、本人のコードを照らし合わせます。

  • 「今の職場環境は、あなたの持つ『社会的(S)』な欲求を満たせていますか?」

  • 「ストレスの原因は、あなたの『研究的(I)』な資質に対し、職場が『企業的(E)』な成果ばかりを求めているからではないでしょうか?」

このように、不適応感の原因を理論的に言語化することで、クライアントは「自分が悪いわけではない(環境との不一致なのだ)」と理解し、自己肯定感を回復できます。

B. ジョブ・クラフティングへの応用

転職だけが解決策ではありません。今の環境の中で、自分のコードを活かす方法を模索します。

  • 例:E(企業的)が高い事務職の場合 → 事務処理だけでなく、社内プロジェクトのリーダーに立候補してみる等の行動変容を促します。

 

ステップ4:具体的行動計画の策定

最後に、3レターコードを”コンパス”として、次のアクションを決定します。

  • 職業探索ツールとしての活用: 厚生労働省の「job tag(職業情報提供サイト)」などを使い、自身のコードに近い職業を検索し、具体的な職務内容をリサーチするよう促します。

  • 「手掛かりとなる語句」の探索: コードに紐づくキーワード(例:Sなら「支援」「教育」)から、業界を絞らずに求人を探す視点を提供します。


 

まとめ:理論は「対話」のためにある

ホランドの理論を用いたコンサルティングのゴールは、適職を言い当てることではなく、「クライアントが自分の興味のパターンを理解し、自律的に環境を選べるようになること」です。

「六角形の地図」をクライアントと二人三脚で広げ、現在の立ち位置と進むべき方向性を定めるツールとして活用してください。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第556号)
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
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