本日は終焉で始まるブリッジズとアイデンティティ・ステータスのマーシャ
メルマガ第561号をお送りします

本日は「終焉で始まる」という独特な転機の理論を展開するブリッジズと4つのアイデンティティ・ステータスで有名なマーシャをご紹介します。
目次
1.【キャリコン受験】なぜマンツーマンではなく「道場」なのか?夢ロープレ研究室が集合学習にこだわる、心理学的な理由
2.ウィリアム・ブリッジズ
3.【コラム】ブリッジズの転機の理論への気づきとは?
4.ジェームズ・マーシャ
【キャリコン受験】なぜマンツーマンではなく「道場」なのか?夢ロープレ研究室が集合学習にこだわる、心理学的な理由

試験対策が進むにつれ、焦りを感じていませんか? 「自分の課題を指摘してほしいから、マンツーマン指導の方が効率が良いのでは?」 そう考える方も多いかもしれません。

 

しかし、私たちはあえて「ロープレ道場(集合レッスン)」に力を入れています。 これには、単なる練習の場という枠を超えた、明確な学術的根拠と私たちの強い想いがあるからです。

 

■「死角」をなくす、他者の目

 心理学の「ジョハリの窓」をご存知でしょうか。人には「自分は気づいていないが、他人は知っている自分(盲点の窓)」が必ず存在します。 マンツーマンの講師一人だけでなく、複数の受講生(観察者)からの視点が入ることで、自分ひとりでは絶対に見つけられなかった「無意識の口癖」や「表情の強張り」が浮き彫りになります。この「多角的な鏡」こそが、修正への最短ルートなのです。

 

■見ることは、学ぶこと

 また、バンデューラの「社会的学習理論」では、人は他者の行動を観察するだけで学習できる(観察学習)とされています。 自分がロープレをしている時は、目の前のクライエントに必死で、自分の癖に気づく余裕はありません。しかし、他者のロープレを客観的に見ることで、「あ、今の問いかけは響いたな」「今の間(ま)は怖かったな」と冷静に分析できます。 これはコルブの経験学習モデルのステップ2「省察的観察」です。人の振りを見て、自分が失敗することなく「正解」を疑似体験できる。これほど効率的な学習はありません。

 

■夢ロープレ研究室の想い
私たちが道場にこだわる最大の理由。それは、試験合格のその先を見据えているからです。 プロのキャリコンに必要なのは、自分を客観視する「メタ認知能力」と、多様な価値観を受け入れる「受容の器」です。 自分とは違う仲間のアプローチを見て、驚き、学び、取り入れる。そのプロセスを経て合格した方は、現場に出ても強い。

「一人で悩む練習」はもう終わりにしましょう。 仲間と共に、科学的に、そして確実に成長する場がここにあります。昨年9月からロープレ道場を進めてきて、ロープレ道場の参加が多い受講生の方が自分のロープレの課題への気づきが多く、修正も早いことに気づきました。

 

個人レッスンで講師のフィードバックを受け、ロープレ添削で自分のロープレを深く点検し、修正を行う。これが最重要であることに変わりはありません。そこに少人数の集合レッスン「ロープレ道場」を加えることで短期的に合格力を身につけることができると考えています。

 

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ウィリアム・ブリッジズ (1933~2013)
 
転機と言えばブリッジスですが、シュロスバーグを3分類したのに対しブリッジズは転機には3段階あるとしたようにアプローチは違います。

「人生の節目には、人は大なり小なりなんらかの危機状況に遭遇する」という言葉が有名です
 
 
ブリッジズはいわゆる心理学等の学者ではなく、人材系コンサルタント、講演者、作家です。30年以上にわたって変化に対応する「トランジション・モデル」を提唱しました。
 
過去問を分析すると出題される内容の範囲が狭いです。そのため得点源になりやすいのか、最近大問は出されていませんでした。 ところが24回で大問が出され、25回でもしっかり1問で選択肢に登場して、更に26回でも大問が出て、直近10回分では4位にジャンプアップしています。 少しの努力で出題されれば確実に点数が取れますので、しっかりと押えておきたい理論家です。

ブリッジズの功績は、「変化(change)」と「トランジション(transition)」を明確に区別した点にあります。ブリッジズは、「変化」とは転職や引越しといった外部的な出来事であり、「トランジション」とは、その変化に適応するために個人が経験する内面的な心理的プロセスを指すとしました。つまり、状況が変わるだけでは不十分で、私たちの心がその変化をどう受け止め、消化していくかが重要だと説いたのです。

 

この内面的なトランジションのプロセスを、ブリッジズはつの段階で説明しました。

 

元々はハーバード大学、コロンビア大学、ブラウン大学で人文科学を学び、ミルズ・カレッジでアメリカ文学の教授を務めていたブリッジズがキャリアの大きな転機を経験し、その実体験が理論構築の基盤となりました。

 

ブリッジズの理論は個人の人生設計のみならず、企業の組織変革やリーダーシップ育成にも広く応用され、多くの組織や人々に影響を与え続けています。

ブリッジズの転機の3段階
第1段階:終焉 転機の始まりは「何かが終わるとき」
外的な変化によって、これまで慣れ親しんできた活動や人間関係、環境などから引き離され、「何かが終わる」段階です。どんなトランジションもここからスタートします。こうした終わりを迎える中で、それまでの役割や習慣、行動パターンで強化されていたアイデンティティの喪失などの心理的変化を迎えるのがこの時期です。

第2段階:中立圏 (ニュートラルゾーン)途方にくれたり、虚しい気分になったりする時期
古い自分が終わったことを理解したものの、新しい自分になれていない、”何者でもない自分”で過ごす期間を「ニュートラルゾーン」と呼びます。大切にしてきた習慣や行動パターンはもはや価値を持たず、深刻な喪失感や空虚感に襲われるのがこの時期です。

第3段階:開始 新たな「始まり」に対し自分の気持ち・考えを整理する時期

ニュートラルゾーンを過ぎると、新たな始まりが動き出します。しかし、いざ新しいことを始めようとすると、慣れていた環境から離れることへの恐怖心から「もう少し準備が必要」と先延ばしにするなど、内的な抵抗が生まれます。

その「内的抵抗」を解決するために、現在~過去の経験を整理していくうちに、少しずつ「古い自分」と「新しい自分」が融合し、新しい立場に相応しい行動を取ることができるようになります。


始まりが終わりという部分が良く選択肢に使われます
【コラム】ブリッジズの転機の理論への気づきとは?

ウィリアム・ブリッジズが、なぜ「変化(Change)」と「トランジション(Transition)」という二つの言葉を明確に区別するに至ったのか。その背景には、彼自身の痛みを伴う深い経験と、多くの人々との静かな対話がありました。

 

きっかけは、彼が長年務めた英文学の教授職を辞すという、人生の大きな決断でした。それは彼にとって、まさしくキャリアにおける「変化」の始まりです。しかし、彼に本当の衝撃を与えたのは、その変化の後に訪れた、心の内側での出来事でした。

 

教授という職を辞した瞬間、彼の社会的地位や日々の拠り所となっていたスケジュールは、あっけなく消え去りました。これは目に見える、外的な「変化」に他なりません。ところが、彼の心はすぐにはその現実に追いつけなかったのです。

 

その後の約一年間、彼は後に自ら「ニュートラル・ゾーン」と名付けることになる、いわば「空白の期間」を過ごします。「かつての自分はもういないが、新しい自分は何者でもない」。そんな宙に浮いたような、寄る辺のない不安の中で、彼は深い喪失感と混乱に苛まれました。「自分とは一体、何者なのだろうか」「これから何をすればいいのだろうか」。その問いだけが、頭の中を巡っていたといいます。

この辛い経験を通して、彼は一つの真実を痛いほど深く理解しました。

 

「変化」とは、ある日突然やってくる外的な出来事にすぎない。 しかし「トランジション」とは、その変化を受け入れ、適応するために、人が内面で経験する心の旅そのものである、と。

 

職を辞すという「変化」は一瞬で起こせても、それによって失われたものと向き合い、新しい自分をゆっくりと再構築していく「トランジション」には、これほど長い時間と葛藤が必要なのかと、彼は身をもって知ったのです。

自分だけが特別だったのだろうか。そんな問いを抱いたブリッジズは、やがて人生の転機をテーマにしたワークショップを開くようになります。そして、そこで彼の予感は確信へと変わっていきました。

 

ワークショップには、長年連れ添ったパートナーと別れた人、予期せず職を失った人、子どもの独立で心にぽっかりと穴が空いてしまった人、大病から回復したばかりの人など、実に様々な「変化」を経験した人々が集まっていました。

 

一見すると全く異なる境遇にある彼らが語る心の内側のプロセスは、驚くほど似通っていたのです。誰もがまず何かを「失い(終わり)」、混乱した「宙ぶらりんの時期(ニュートラル・ゾーン)」を彷徨い、そしてやがて「新しい何かを見出して(始まり)」いく。まるで示し合わせたかのように、皆が同じ心理的な道をたどっていました。

 

この発見は決定的でした。トランジションとは、彼個人の特殊な体験ではなく、大きな変化に直面した人間が誰もが通る、普遍的な心のプロセスなのだと。

 

ブリッジズの理論は、このようにして生まれました。それは、彼自身の孤独な内省と、他者の苦しみに静かに耳を傾ける共感の中から、ゆっくりと紡ぎ出されたものだったのです。だからこそ彼の言葉は、単なる理論としてではなく、変化という予測不能な時代を生きる私たちにとって、今もなお確かな羅針盤として静かな光を放っているのでしょう。

ジェームズ・マーシャ (1937~)

ジェームズ・マーシャはエリクソンが青年期に自分が何者なのか悩み(発達危機)、アルバイト等の社会的役割を通してアイデンティティを確立(発達課題)していくとしたのを受けて、アイデンティティス・テイタスを4つに分類しました。

マーシャは「アイデンティティ・ステータス」という明確な出題テーマがあり、出題もそこに絞られているので余り悩まず対応ができます。マーシャは24回実施されたキャリコン試験でたった3回しか出題されていません。ただ、そのうち2回が18回と20回で大問が出されていることから要注意と考えています。 

カナダの心理学者ジェームズ・マーシャ(James Marcia)は、青年期の「自分とは何か」という問いへの取り組みを深く洞察した「アイデンティティ・ステータス理論」によって、発達心理学に不朽の功績を遺しました。彼の理論は、エリク・H・エリクソンのアイデンティティ理論を実証的に発展させ、現代の青年理解に不可欠な視座を提供しています。

 

マーシャの理論の中核をなすのは、「危機(crisis)」と「傾倒(commitment)」という二つの軸です。危機とは、自己の価値観や将来の目標について真剣に悩み、積極的に模索する経験を指します。一方、傾倒とは、特定の価値観や目標を選択し、それに対して主体的に関わっていくことを意味します。

この二つの軸の組み合わせから、マーシャは青年期のアイデンティティの状態を以下の4つの「アイデンティティ・ステータス」に分類しました。

  1. アイデンティティ達成:危機を経験し、熟考の末に自己のアイデンティティを確立し、それに基づいて行動している状態。
  2. モラトリアム:現在危機の最中にあり、様々な可能性を模索しているが、まだ明確な傾倒には至っていない状態。いわば「猶予期間」です。
  3. 早期完了(フォアクロージャー):危機を経験することなく、親や権威者の価値観を鵜呑みにしてアイデンティティを形成している状態。
  4. アイデンティティ拡散:明確な自己の方向性を見出せず、危機も経験せず、特定の価値観や目標への傾倒も見られない状態。

マーシャは、これらのステータスを把握するために「半構造化面接法」という手法を開発・活用しました。これにより、青年の内面的な葛藤や探求の過程を、よりきめ細やかに捉えることを可能にしました。彼の研究は、アイデンティティ形成が一筋縄ではいかず、多様な道筋を辿ることを明らかにし、また、一度確立されたアイデンティティも固定的ではなく、生涯を通じて変化しうる流動的なものであるという重要な視点をもたらしました。

アイデンティティ形成のプロセス3段階 
①青年期前期の脱構成化 
②青年期中期の探求と再構成化
③青年期後期の強化
アイデンティティ・ステイタス(4つのステータス) 

アイデンティティ達成(危機あり・関与あり)
自分にとって意味のある危機を経験し、それを通じて自分で選択した人生のあり方に対して積極的に関与をしている状態。 

 

モラトリアム(危機あり・関与なし)

大人なるために必要な自分の適性や価値観を探求している、つまり危機を経験しつつある状態で「自分はいったい何がしたいのだろう、あれかな、これかな」などと悩んでいます。

 

早期完了(予定アイデンティティ )(危機なし・関与あり)
危機を経験していないのにも関わらず、積極的関与をした結果、一見すでにアイデンティティが確立されたような状態。

 

アイデンティティの拡散(危機なし・関与なし)

危機の有無にかかわらず、積極的な関与ができない状態。自分の人生について主体的な選択ができず、何がやりたいのか分からない、途方にくれている感じです。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第561号)
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh
アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
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