キャリアコンサルタントの試験(国家資格や2級技能士)に向けて練習を重ねていると、「どうしても話が堂々巡りになってしまう」「結局、何を話せばいいのか分からなくなった」という壁にぶつかることがないでしょうか?
その焦り、よく分かります。実は、ロープレがスムーズに進まない最大の理由は、スキル不足ではなく、「今、自分たちがプロセスのどこにいるのか」という地図を見失っていることにあります。
その地図こそが「システマティック・アプローチ」です。今回は、試験の評価ポイントを押さえながら、単なる暗記ではない「血の通ったプロセス」として解説していきます。
ステップ1:まずは「心の扉」を開くことから(関係構築)
どれほど優れたアドバイスも、信頼関係という土台がなければ相手には届きません。まずは「この人なら話しても大丈夫だ」と思ってもらえる環境作りがすべてです。
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「聴いてもらえている」という実感を作る 単に「はい」と頷くだけでなく、相手の表情や声のトーンに自分を重ねていくイメージです。これを「ペーシング」と言いますが、難しく考える必要はありません。相手の「心の波」に寄り添うだけで、自然とラポール(信頼)は築かれます。
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「相談の入り口」を丁寧に扱う(A領域の確認) 相談者が最初に口にする言葉には、その人の「今、一番辛いこと」が詰まっています。背景(A'領域)を根掘り葉掘り聞く前に、まずは「今日、ここに来るまで抱えてきた思い」を、そのままの形で受け止めて要約して返してあげてください。「そうなんです、それが言いたかったんです」という言葉が返ってきたら、第一段階はクリアです。
ステップ2:表面的な言葉の「裏側」を読み解く(問題把握)
ここが一番の踏ん張りどころです。相談者の訴えをそのまま受け止めるだけでなく、プロとしての「見立て」が必要になります。
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相談者の悩み(主観): 「仕事が辛いから辞めたい」
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キャリコンが見抜く本質(客観): 「実は、自己理解が足りなくて自信を失っているのでは?」
この二つのギャップを埋めるのが私たちの仕事です。「~すべき」という思い込み(認知の歪み)や、経験不足からくる不安など、相談者自身も気づいていない「本当のブレーキ」を、キャリア理論というレンズを通して探っていきます。
※ここがポイント! 見つけた「真の問題」をいきなり突きつけるのはNGです。「お話を伺っていると、〇〇という部分に、少し迷いがあるように感じられたのですが……ご自身ではどう思われますか?」と、相手と一緒に確認していく作業を忘れないでください。
ステップ3:一緒に「目指す場所」を決める(目標設定)
問題が見えたら、次はゴール設定です。ここで大切なのは「キャリコンが勝手に決めない」こと。
「とりあえず転職しましょう」といった安易な目標ではなく、「まずは自分の強みを整理して、納得感を持って動けるようになりましょう」というように、問題の根っこ(自己理解不足など)にアプローチする目標を立てます。相談者が「それならやってみたい」と顔を上げるような目標を、二人三脚で見つけ出しましょう。
ステップ4:明日からの「小さな一歩」を決める(具体的方策)
最後は、具体的にどう動くかです。ここで「ジョブ・カードを書いてください」といったマニュアル通りの提案をしても、相談者の心は動きません。
この一歩が、相談者の「意識の変容」や「前向きな行動」につながっていくのです。
まとめ:合格をグッと引き寄せる3つの鉄則
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焦ってプロセスを飛ばさない: ラポールができていないのに質問攻めにしない。
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迷ったら「傾聴」に戻る: 一本道ではありません。行き詰まったら、いつでも丁寧に話を聴く段階に戻ってOKです。
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主役はあくまで相談者: 私たちはあくまで「伴走者」です。答えは相談者の中にあります。
「今、自分たちはどのプロセスにいるんだろう?」と一歩引いて俯瞰する癖をつけるだけで、ロープレの質は劇的に変わります。自信を持って、目の前の相談者に向き合ってきてくださいね。応援しています!