今日はjobtag(日本版O-NET)について
メルマガ第574号をお送りします。
 
今日は日本版O-NETと言われているjobtagを取り上げます。厚生労働省がモデルにした米国のO*NETは1990年にリリースした”Occupational Information Network”の略で「職業情報ネットワーク」と訳されます。元々紙ベースであった職業情報「DOT」をネットワークに公開する、というコンセプトで開発されたシステムです。  
 
jobtagは第12次職業能力開発基本計画の中でジョブカードとともに重要な役割を担っており、キャリコンはその活用方法に精通する必要があります。その意味で今後ともキャリコン試験・2級技能士試験において重視されると考えています。
目次
 
1.職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)について
2.jobtagの主要コンテンツ
3.job-tagの構造的変化 と2026年の動き
4.job tagにおける35項目のアビリティ指標一覧
5.追加された時代のニーズを映す15の専門職
6.キャリコンはjob tagをどう使うか?
職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)について

 職業情報提供サイト(日本版O-NET)(愛称:job tag(じょぶたぐ))は、「ジョブ」(職業、仕事)、「タスク」(仕事の内容を細かく分解したもの、作業)、「スキル」(仕事をするのに必要な技術・技能)等の観点から職業情報を「見える化」し、求職者等の就職活動や企業の採用活動等を支援するWebサイトです。

 

 まだ就業経験のない方や再就職先を探している方が、どんな職業があるのかいろいろな切り口から探したり、その職業ではどんな仕事内容・作業が一般的に行われ、どんなスキルや知識を持った方が働いているのか調べたりすることができます。

 

 また、学生のキャリア形成を支援する方、求職者への職業相談・職業紹介を行う方、企業内の人材活用に取り組む方に活用していただける様々な機能も搭載されています。

出所:職業情報提供サイト(日本版O-NET)
jobtag(じょぶたぐ)日本版O-NET
まずjobtagの説明資料を入手しておきましょう
 
jobtagホームページのTop画面です
jobtagのコンテンツです
jobtagの主要コンテンツ
支援者向け活用ガイド・支援者向け活用ガイド参考資料
学生等に対する「キャリア教育」のシーン、求職者に対する「求職支援」のシーン、キャリアアップ等を目指す相談者に対する「能力開発」のシーンごとに、活用できる機能を紹介。

職業興味検査・価値観検査・職業適性テスト(Gテスト)
結果とともに、支援対象者にあった職業を提示します。

色々な観点から職業を見る
IT業界の仕事、金融・保険に関わる仕事などの業界別や、事務、営業などの職種別など、特集として色々な観点から職業を見ることができます。
 
 職業を調べる(フリーワード検索・テーマ別・イメージ検索等
支援に際してよく知らない職業があった場合にも、知識を深めて頂けます。また、需給調整事業者の方々には、社員研修などでもご利用頂けます。

 求職ガイド
求職活動の流れを説明し、ステップごとに結果を書き込んでまとめることができるガイドツールです。

しごと能力プロフィール
職歴や説明を見ながら「しごと能力プロフィール」をまとめることができます。職歴が長い人だけでなく、比較的短い職歴が多くある方などについても、それまで就業した職業の総体としての能力プロフィールをまとめて見える化することができます。

しごと能力プロフィール検索
しごと能力プロフィール検索から波形が近い職業を検索することができます。また、キャリア分析では、しごと能力プロフィールの波形を就きたい職業の数値データと比較することで、あっているところ、ずれているところが確認できます。途中、「不足しているスキル・知識」や「関連資格」が出てきますので、今後の教育訓練内容を検討することも可能です。

ホワイトカラー系19職種レベルチェック
ホワイトカラー系職種の職歴のある方の支援に、スタッフレベルからシニアマネージャーやシニアスペシャリストまで、求められる業務遂行のための基準について、どれぐらいできているか確認することができます。

ポータブルスキル見える化ツール
ポータブルスキルからそれを活かせる職務・職位を確認することができます。

労働法の基礎知識/全国最低賃金一覧
労働法について基本的な内容を解説しています。労働者の権利や何が違法なのか把握することができます。支援対象者に渡すツールとしてもご活用頂けます。 タスクを整理
障がい者支援などでは、雇い入れる企業側に部署内や企業内のタスクを入力してもらい、その中から支援対象者ができることを選定していくことで、雇い入れる企業に雇い入れの効果を見える化することができます。

求人ガイド
人材募集・採用までの流れを説明し、整理すべきポイントを書き込んでまとめることができます。求人を受け付ける際のツールとしてもご活用いただけます。 
 
職業情報動画一覧
類似する職業の動画を連続で見るなど、動画中心でご利用される場合などにご利用いただけます。
job-tagの構造的変化 と2026年の動き
~2026年における「job tag」の革新とキャリア支援の展望 

2026年という節目を迎え、我々キャリアコンサルタントを取り巻く支援環境は、これまでにない大きな転換点を迎えています。

 

特に、職業能力開発の基盤となる職業情報提供サイト(job tag)は、単なる情報参照ツールから、国家戦略を支える動的なインフラへと進化を遂げました。

 

このコラムでは、2024年から2025年にかけての機能拡充と、今年度より本格始動した第12次職業能力開発基本計画におけるjob tagの戦略的役割について、専門的な観点から解説いたします

1. 2024年から2025年における機能進化の総括

この2年間、job tagは従来の「職業情報のデータベース」という枠組みを超え、実効性の高いキャリア形成支援ツールとしての地位を確立しました。その進化は、主に以下の3点に集約されます。

 

まず、賃金情報の即時性と精度が劇的に向上しました。民間人材サービスとのデータ連携が深化し、ハローワークの統計値のみならず、個別のスキルや実務経験に裏打ちされた市場価値としての推定年収が可視化されました。これにより、クライエントに対し、より現実的かつ具体的なライフプランの提示が可能となりました。

 

次に、35項目のアビリティ(能力)指標の導入が挙げられます。職務内容の記述に留まらず、個人の能力を多角的に分析・照合できる仕組みが整ったことで、未経験職種への労働移動におけるポータブルスキルの有効性を論理的に立証できるようになりました。

 

さらに、デジタル分野においてはITSS+との完全な連動が実現しました。職務タスクが詳細に定義されたことで、リスキリングの具体的な目標設定が極めて容易になり、デジタル・トランスフォーメーション時代に即した支援体制が構築されました。

(補足)

ITSS+とは?「データサイエンスやDX(デジタルトランスフォーメーション)といった新たなデジタル領域において、実務上必要となるスキルを体系化した標準指標」

従来のITスキル標準(ITSS)が既存のIT職種を対象としていたのに対し、ITSS+は現代の急速な技術変化に対応するため、より具体的かつ専門的なタスクレベルでのスキル定義を行っているのが特徴です。キャリアコンサルティングの現場においては、クライエントのリスキリング(学び直し)の到達点を明確にするための「具体的な指針」として活用されています。

 

2. 第12次職業能力開発基本計画とjob tagの統合的役割

令和8年度より施行された第12次職業能力開発基本計画においては、個人の主体的・自律的なキャリア形成の促進が最優先課題として掲げられています。この国家指針において、job tagは以下の3つの機能を担う中核的拠点として位置づけられています。

 

第一に、スキルの公的証明基盤としての役割です。デジタルバッジやジョブ・カードとのシステム統合により、個人の学習履歴や習得スキルがjob tag上のデータと紐付けられ、キャリアの見える化が高度に実現されています。

 

第二に、円滑な労働移動の支援です。グリーン産業やデジタル産業といった成長分野への移行を促すべく、職種間のスキルの近接性をAIが精密に算出します。これにより、ミスマッチを最小限に抑えた戦略的なキャリアチェンジの支援が可能となりました。

 

第三に、セルフ・キャリアドックにおける標準診断ツールとしての活用です。企業内におけるキャリア形成支援において、客観的な統計データに基づいた自己理解を促すための「標準的な物差し」としての役割が、これまで以上に強化されています。

 

3. キャリア支援の専門家に求められる高度な伴走支援

現代のキャリアコンサルティングにおいて、job tagは単に情報を提示するための道具ではありません。膨大なデータとAIによる分析結果を、コンサルタントがどのように解釈し、クライエントの意思決定に結びつけるかという専門的知見が問われています。

 

2026年の支援現場に求められているのは、高度なテクノロジーが導き出す客観的なデータと、目の前のクライエントが歩んできた固有の物語(ナラティブ)を高い次元で統合させることです。データはあくまで地図に過ぎず、その道をどのように歩むかを共に考え、納得感のある選択を支えることこそが、我々専門家の真価であると言えるでしょう。

 

進化したjob tagを自らの専門性と融合させ、より質の高い支援を実践されることを期待いたします。

job tagにおける35項目のアビリティ指標一覧

1. 知的能力(21項目)

思考、言語、記憶など、情報の処理や問題解決に関わる能力群です。

  • 口頭理解:話し言葉を聞いて理解する能力

  • 書面理解:書かれた文章を読んで理解する能力

  • 口頭表現:自分の考えを話し言葉で伝える能力

  • 書面表現:自分の考えを書かれた言葉で伝える能力

  • アイデアの流暢さ:あるテーマについて多くのアイデアを出す能力

  • 独創性:普通とは異なる斬新なアイデアを生み出す能力

  • 問題感受性:何かが間違っている、または間違おうとしていることに気づく能力

  • 演繹的推理:一般的な規則を特定の問題に当てはめて答えを導く能力

  • 帰納的推理:バラバラな情報を組み合わせて一般的な規則や結論を導く能力

  • 情報の体制化:特定の規則に従って物事や事象を順序立てる能力

  • カテゴリーの柔軟性:物事を異なる規則で分類し直す能力

  • 数学的推理:適切な数学的手法を選んで問題を解決する能力

  • 数値の正確さ:計算を素早く正確に行う能力

  • 記憶:言葉、数字、図形などを覚える能力

  • 全体把握の速さ:混乱した情報の中から規則性を見つけ出す速さ

  • 柔軟な全体把握:特定のパターンの中に隠された別のパターンを見つける能力

  • 知覚速度:文字や数字などの情報を素早く正確に比較・照合する能力

  • 空間の方向感覚:周囲の物に対する自分の位置を把握する能力

  • 視覚化:物が動いたり一部が変わったりした状態を想像する能力

  • 選択的注意:気が散るものがある中で一つの作業に集中し続ける能力

  • 分割的注意:二つ以上の作業に同時に注意を向ける能力

2. 精神運動的能力(10項目)

身体の動きを制御し、正確に操作を行うための能力群です。

  • 腕・手の安定性:腕や手を安定した状態に保つ能力

  • 手の器用さ:手を使って物を素早く動かしたり組み立てたりする能力

  • 指の器用さ:指先を使って小さな物を細かく動かす能力

  • 制御の正確さ:機械などの制御装置を素早く正確に操作する能力

  • 多肢の協調:座ったり立ったりしながら両手・両足を同時に動かす能力

  • 反応の方向性:光や音などの刺激に対して素早く正しい方向に反応する能力

  • 速度の調節:動いている対象に合わせて自分の動きの速さを変える能力

  • 反応時間:刺激に対して反応を開始するまでの速さ

  • 手首・指の速さ:手首や指を素早く繰り返し動かす能力

  • 四肢の動きの速さ:腕や脚を素早く動かす能力

3. 身体的能力(4項目)

体力や筋力、持久力など、身体的な活動を支える能力群です。

  • 静的な筋力:物を持ち上げたり押したりする、持続的な筋力

  • 爆発的な筋力:短時間で一気に力を出す筋力(走る、跳ぶなど)

  • 動的な筋力:筋肉を繰り返し使い続けるための筋力

  • 体幹の筋力:腹筋や背筋など、体の軸を支えるための筋力


実務における活用の視点

これらの35項目は、job tag上のレーダーチャートとして可視化されています。2026年現在のキャリア支援においては、単に「適性がある」と伝えるのではなく、以下のような具体的な活用が求められます。

  • スキルの転移性の証明: 前職で培った「問題感受性」や「情報の体制化」が、志望する未経験職種においてどのように役立つかを、具体的な数値や定義に基づいて言語化する。

  • リスキリングの重点化: 目標とする職種で要求されるアビリティ(例:数学的推理)と、現在のクライエントのアビリティの乖離を特定し、補完すべき学習領域を明確にする。

これらの指標を使いこなすことで、経験論に頼らない、エビデンスに基づいたキャリアコンサルティングが可能となります。

追加された時代のニーズを映す15の専門職

2025年4月、技術革新、産業構造の変化、新たな社会課題といった現代の要請を的確に反映した15の職業が新たに追加されました。これは、労働市場の最先端の動向を示す極めて重要な指標です。

 

追加された15の職業は以下の通りです。

  1. GXコンサルタント

  2. プラットフォームアーキテクト

  3. データサイエンティスト(金融)

  4. 店舗開発(小売)

  5. MR(再生医療)

  6. 獣医療機器営業

  7. カスタマーサクセス(IT)

  8. サイバーセキュリティ技術者(製品開発)

  9. ドローンパイロット(インフラ)

  10. 半導体後工程技術者

  11. 再生可能エネルギー発電設備保守・運用技術者

  12. EV・HV等整備士

  13. 認定遺伝カウンセラー®

  14. ゲノム医療コーディネーター

  15. バイオインフォマティシャン

これらの職業群は、脱炭素(GX)、デジタル化、先端医療、新技術といった分野に集中しており、今後のキャリアを考える上での重要な指針となります。

キャリコンはjob tagをどう使うか?

「job tag」は、厚生労働省が運営する総合的な職業情報提供サイトであり、キャリアコンサルタント(キャリコン)が求職者を支援する上で非常に強力なツールとなります。その活用法は多岐にわたりますが、主に以下の4つの側面から支援に役立てることができます。

 

1. 客観的な自己分析の深化

キャリコンは、相談者との対話を通じて自己理解を促しますが、「job tag」の豊富な自己診断ツールを用いることで、そのプロセスを客観的なデータで補強できます。

  • 職業興味検査や価値観検査: 相談者がどのような仕事に興味を持ち、仕事において何を大切にしたいのかを可視化します。これにより、漠然とした希望を具体的な言葉で捉え直すきっかけになります。
  • 職業適性テスト(Gテスト)やしごと能力プロフィール: 相談者の能力的な強みや特性を客観的に把握し、適職を考える上での重要な参考情報となります。
  • ポータブルスキル見える化ツール: 異業種・異職種への転職を考える相談者に対し、これまでの経験で培った持ち運び可能なスキルを明確に示し、自信を持ってキャリアチェンジに臨めるよう支援します。

これらの結果を対話と組み合わせることで、相談者はより深く、納得感を持って自己理解を進めることができます。

 

2. 具体的な職業情報の提供と探索

自己分析で得られた興味や価値観、スキルをもとに、具体的な職業情報を探索する際に「job tag」は真価を発揮します。

  • 多角的な検索機能: キーワード検索だけでなく、「仕事の内容」「必要なスキル・知識」「免許・資格」など、様々な切り口で職業を検索できます。「未経験でも比較的入りやすい職業」といった実践的な条件での検索も可能で、相談者の状況に合わせた情報提供が容易になります。
  • 詳細な職業情報: 各職業について、仕事内容、求められるスキル、平均年収、求人倍率、関連する資格、キャリアパスの例など、詳細な情報が網羅されています。これにより、キャリコンは根拠に基づいた具体的な情報を提供でき、相談者は仕事に対する理解を深めることができます。

3. キャリアプランニングの支援

中長期的な視点でのキャリアプランニングにおいても、「job tag」は有効です。

  • キャリア分析ツール: これまでの職務経歴をインプットすることで、キャリアの棚卸しを支援します。自身のキャリアの変遷を客観的に振り返ることで、今後の方向性を考える上での土台を築きます。
  • 職業能力チェック: 興味のある職業と現在の自分とのギャップを具体的に把握できます。目標とする職業に就くために、今後どのようなスキルや知識を習得する必要があるのか(学習の方向性)を明確にするのに役立ちます。

4. 企業側の視点の提供

求職者支援だけでなく、企業側の視点を理解する上でも役立ちます。「人材採用要件整理」などの企業向けツールを見ることで、企業がどのような人材を求めているのかを推測し、相談者の応募書類作成や面接対策に活かすことができます。

 

まとめ

以上のように、キャリアコンサルタントは「job tag」を駆使することで、自己分析の深化、具体的な職業情報の提供、長期的なキャリアプランニングの支援といった、キャリアコンサルティングの各段階で、より客観的で質の高い支援を提供することが可能になります。相談者自身が主体的に情報を収集・活用する習慣を身につけるきっかけともなり、自律的なキャリア形成を力強く後押しする羅針盤のような存在と言えるでしょう。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第574号)
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh
アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
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