今日は超有名なお二人ロジャーズとフロイトです
メルマガ585号をお届けします。

今日はロジャーズの来談者中心療法についてのコラムを取り上げました。フロイトの精神分析療法がどちらかといえば「分析してあげます」と上からの感じるアプローチで、信奉者も多いですが、反発する人も多かった。その中でクライエントの目線に合わせ安心して相談できる環境づくりをする、これが来談者中心療法です。
目次

1.【コラム】「なんとなくの波長」には、科学的な裏付けがあった
2.カール・ロジャーズ
3.【コラム】来談者中心療法の歴史的意義と現代における影響
4.ジークムント・フロイト
5.(コラム)孤高の探求者、ジークムント・フロイト
6.夢ロープレ研究室のキャリコン試験対策本のご紹介
【コラム】「なんとなくの波長」には、科学的な裏付けがあった

面接の中で「今日は驚くほどスムーズに話が進んだ」「深いレベルで通じ合えた」と感じる瞬間はありませんか?逆に、どんなにスキルを駆使しても、なぜか距離が縮まらない……。

 

これまで、こうした「手応え」の正体は、個人のセンスや直感、あるいは「相性」という言葉で片付けられてきました。しかし最新の脳科学は、この目に見えない現象に対人脳同期(IBS)という明確な答えを与えています。

 

ラポールは、脳の「Wi-Fi接続」

「ラポールが築けている」とき、二人の脳内では何が起きているのか。 実は、支援者とクライアントの脳波や血流といった脳活動は、まるで一つのネットワークのように同期(シンクロ)していることが分かっています。

 

特に熟練の支援者は、セッションの序盤から、相手の意図を推論する脳領域を素早く相手に「チューニング」させています。つまり、ラポールとは抽象的な雰囲気ではなく、脳同士が通信プロトコルを合わせ、接続に成功した状態なのです。

 

「聴く」ことは、脳の高速シミュレーション

また、「傾聴」についても面白い発見があります。 深い傾聴ができているとき、聴き手の脳はただ受動的に音を拾っているわけではありません。むしろ、相手の言葉やトーンから「次に何を言おうとしているか」を脳内で高速シミュレーション(予測)しています。

 

プロの傾聴とは、相手の心の地図を、自分の脳というキャンバスにリアルタイムで先回りして描き写し続ける、極めてダイナミックな情報処理プロセスなのです。

 

なぜ「自己一致」が必要なのか?

ロジャーズの説いた「受容」や「自己一致」も、脳科学で見れば合理的です。 支援者が安定した状態で「受容」することで、乱れたクライアントの脳波を整える外部脳として機能します。

また、支援者の心が裏表のない「自己一致」の状態にあることは、通信ノイズを減らすことと同義です。ノイズがないからこそ、脳同士は深く、速く、同期できるのです。

 

「感覚」を「確信」に変える

私たちのスキルは、決して非科学的なものではありません。 「自己一致」というリズムを整え、「傾聴」というアンテナを研ぎ澄まし、「受容」によって共鳴する。その結果として「脳の同期」が起き、クライアントに変化が生まれる。

 

このメカニズムを知ることで、これまでの「なんとなく」が「確信」に変るはずです。 今日も、目の前のクライアントと「脳レベルでの対話」を楽しんでいきましょう。

カール・ロジャーズ(1902~1987)

来談者中心療法」で有名な心理学者で、カウンセリング理論の親玉です。

個人は自分の内部に、自己理解の大きな資源、また、自己概念・基本的態度、自主的行動を変える大きな資源を持っている
と考えたことがその背景にあります。

相談者を「クライエント」と呼び始めたはロジャーズです。


▼学習ポータルのロジャーズ記事はこちら

https://career-c.sognoplanning.com/?page_id=2671

自己一致と自己不一致の理論
自己一致の図示には2パターンがあります。自己概念と経験の一致部分が多い場合を自己一致とする場合と、自己概念と経験が一致した部分を自己一致とする場合です。 キャリアコンサルティングを行うことを考えると、自己概念と経験が全く一致するわけが無いので、自己概念と経験が一致する部分を自己一致していると知った方が分かりやすいです。
カウンセラーの3つの基本的態度(原則)
①共感的理解
②無条件の肯定的関心
③自己一致
クライエントに変化を起こす6つの条件
①心理的接触(ラポール) 二人の人が心理的接触を持っている
②不一致 クライエントは不一致の状態で心理的に不安定な状態
③一致 コンサルタントは安定しており、ありのままの自分でいられる状態
④無条件の肯定的配慮・受容 コンサルタントはクライエントのそのままを無条件に肯定的に受け止めること
⑤共感的理解 クライエントの見方・感じ方に共感的理解して、クライエントに伝えるよう努めている
⑥受容と共感の伝達 コンサルタントの無条件の肯定的配慮・受容と共感的理解がクライエントに伝わっていることロジャーズのいう傾聴は「しゃべっちゃいけない?」との勘違いが多いので、参考まで実際にロジャーズがクライエントのカウンセリングを行っている動画を共有します。YouTubeなので誰でも見えるものです。
私自身はこの動画を見て、それまでの考えが覆るくらい衝撃を受けました。(大げさかもしれません・・・)

【コラム】来談者中心療法の歴史的意義と現代における影響

来談者中心療法は、20世紀中頃にカール・ロジャーズによって提唱された心理療法の画期的なアプローチであり、カウンセリング理論史における重要なパラダイムシフトをもたらしました。これは、それまでの心理療法が治療者の専門性と診断に重点を置いていたのに対し、人間の自己成長力を信頼し、クライエント自身の主体的な問題解決能力を尊重するという、根本的な視点の転換を促すものでした。

 

来談者中心療法の登場以前、心理療法の主流はフロイトの精神分析学でした。精神分析では、無意識の葛藤や過去の経験を深く探求することで症状の軽減を図り、治療者は権威的な立場からクライエントを「治療」する役割を担っていました。しかし、このアプローチは時間的・経済的負担が大きいことや、治療者とクライエント間の関係が非対称的である点などから、多くの批判に晒されていました。

 

こうした背景の中、ロジャーズはカウンセリングの中心にクライエントを据えるという革新的なアプローチを確立しました。彼は、カウンセラーが「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「自己一致」という3つの基本的態度を示すことの重要性を説きました。これらの態度は、クライエントにとって心理的に安全で受容的な環境を創出し、内面の探求と成長を促進する基盤となると考えられたのです。

 

来談者中心療法の登場は、心理療法が一部の専門家による医療行為から、より広範な人間関係の支援や自己成長を促すプロセスへとその概念を拡張させる契機となりました。このアプローチは、その後の認知行動療法(CBT)をはじめとする様々な心理療法の発展にも大きな影響を与えています。CBTにおいても治療的同盟の重要性が認識されており、クライエントとの信頼関係構築が不可欠とされていますが、これはロジャーズが提唱した基本的態度と共通する要素です。

 

現代においても、来談者中心療法の理念は、単一の療法としてだけでなく、多くのカウンセリングや教育、福祉分野における基礎的なスキルとして定着しています。その人間観と、クライエントの主体性を尊重する姿勢は、カウンセリング理論史における最も重要な遺産の一つとして、現在もなお多大な影響を及ぼし続けています。

ジークムント・フロイト(1856~1939)

心理学者として誰でも聞いたことがある非常に有名なオーストリアの心理学者フロイトをご紹介します。

実はフロイトは出題の際にはあまり名前が登場しません。第25回試験でも防衛機制という形で出題されています。防衛機制は項目が多いので真剣に突っ込み始めたらきりがありませんが、正誤問題の形なので、代表的なものを覚えておけば間違った選択肢は容易に分かります。

 
学科試験としては心の構造論と防衛機制を覚えておく必要があります。
心の構造論
①自我(エゴ)・・現実原則 意識的な心の働き。外界からの要請を受けて、イドや超自我の間のバランサー。
 
②イド(エス)・・快楽原則 無意識的な本能欲求。自我に対して願望の充足をせまるもの。但し、超自我の指令が優先と判断された場合には願望を抑圧する。
 
③超自我(スーパーエゴ)・・道徳原則 「良心」と呼んでいる心の働き。自己を観察しながら、自我としてふさわしい理想を実現しようする。 
防衛機制

危険や困難に直面した場合、受け入れがたい苦痛・状況にさらされた場合に、それによる不安や体験を減弱させるために無意識に作用する心理的なメカニズム。 ※代表的な防衛機制

  1. 抑圧 忘却
    自分自身にとって受け入れがたい感情や欲求、記憶などを、無意識に抑え込んで気付かないようにしたり、忘れてしまったりすること 。
  2. 置き換え 妥協
    自分の欲求を満たすために、欲求を向ける相手や表現の方法を別のものに置き換えること。
  3. 投影 疑心暗鬼・責任転嫁
    受け入れられない自分の悪い所や感情などを、相手に映し出してしまうこと。そのため、本当は自分のことであったり、自分が思っていることであったりするのに、相手がそうであるかのように感じてしまいます。 
  4. 反動形成 本心とは正反対な態度
    「本当に思っていること」や「やりたいこと」とは反対の言動を取ること。本来の欲求を満たすことができなかったり、直接相手に気持ちを表現できなかったりする場合に、他のもので置き換えようとします。
  5. 否認 現実を認めない
    自分にとって不安になったり、腹が立ったりするような周囲の刺激や事実に対して、気付かないように避けること。 
  6. 知性化 知識を増やし、物事を知的に考えていく
    自分の欲求を知的活動に置き換えてエネルギーを消費したり、知的活動を通して欲求を表現したりすること。
  7. 昇華 
    抑圧された欲求や衝動が、社会的、文化的に承認される価値のある好ましい活動となって発現する
  8. 合理化 自己正当化
    満たされない自分の欲求に対して、もっともらしい理由をつけて正当化し、自分を納得させること 
  9. 退行 こどもがえり(幼児退行)
    受け入れがたい欲求や感情に直面できず、自我の発達が逆戻りしてしまうこと。
  10. 解離 

    受け入れがたい体験や記憶を、正常な意識から切り離すこと。体験や記憶、感覚や人格に空白部分が生じ、それらを統合できなります。

  11. 転換 ヒステリー
    抑圧された衝動や葛藤が、麻痺や感覚喪失となって表現されること。 
  12. 同一化(同一視)
    親や先生、友人など周りの人の考えや行動の中で、自分にとって良いと思える所を取り入れていくこと。
  13. 補償 劣等感自分が抱く劣等感や承認されない気持ちなどを、別のものでカバーし優位に立とうすることを言い、劣等感の裏返しで起きています
夢ロープレ研究室のキャリコン試験対策本のご紹介
日々の学びが合格への早道!
理論と理論家を手早く頭に入れる

本書は覚えにくいと受験生が苦戦しているキャリア理論を、パーソンズのマッチング理論から現代の多文化キャリアカウンセリング論・社会正義論までを背景となるアメリカ社会の動きを交え一気に俯瞰していきます。

 

また、キャリアコンサルティング理論については、流れというよりはどのようにクライエントに対するか、というアプローチ視点の分類が重要と考えています。本書では書くアプローチの差を分かりやすく解説することでキャリアコンサルティング理論を整理できるようにまとめました。

 

本書は可能な限り内容を絞り込み、読みやすい量としています。それは、何回も読み返すことで知識の定着を図るためには、情報量は少なければ少ないほど良いと考えているからです。

 

国家資格キャリアコンサルタント試験、キャリアコンサルティング技能士検定の受験生の方は、本書を活用して合格を勝ち取ってください。


ロープレ試験合格のための5原則

カウンセリング技術を上げて、実力で資格試験に合格しよう、が基本スタンスの夢ロープレ研究室が、ロープレ試験合格に必要なことを5つの原則にまとめて解説しました。夢ロープレ研究室の講座やセミナーで説明している、対人コミュニケーション理論を基本に置いたカウンセリングスキルの要点をまとめています。

 

本書では、ロープレ試験で評価されるスキル、合格するために必要な知識、実践的なスキル習得方法などを具体的に解説しています。 

 

5つの原則とは以下の通りです

  1. 相談者の話を注意深く、共感的に聴き、相談者の感情や状況を受容する
  2. ゆっくりとした落ち着いた態度で、相談者が安心して話しやすい雰囲気を作る
  3. 言葉だけでなく、表情や身振りなど、非言語的なコミュニケーションも活用する
  4. 相談者のことばを解釈せず、言葉のまま受け入れる
  5. 相談者の反応や態度を注意深く見て、相談者に合わせる

これらの原則を理解し、実践することで、受験者はロープレ試験を突破し、自信を持ってキャリアコンサルタントとして活躍することが期待できます。

要点だけをコンパクトにまとめていますので、読み返しにも時間がかかりません。繰り返し本書を読むことで試験に向けてのマインド作りを行い、安心してロープレ試験に臨むことができます。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第585号) 
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh
アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
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