「在職したまま学び直す」時代の到来
キャリア相談の現場で、私たちは何度このジレンマに直面してきたでしょうか。
「スキルアップしたいけれど、仕事を辞めるのはリスクが大きすぎる。かといって働きながらでは時間が足りない……」。
そんなクライエントの背中を強力に押せる武器が、2026年の今、ついに整いました。それが教育訓練休暇給付金です。
1. 「退職」というギャンブルを不要にする新制度
これまでの社会人の学び直しは、失業給付(基本手当)をもらうために一度「退職」を選ぶのが一般的でした。しかし、これではキャリアの継続性が途切れるリスクが常に付きまといます。
今回の新制度の画期的な点は、雇用関係を維持したまま、無給休暇を取得して学習に専念できることです。籍を残したまま生活費が補填される。この安心感は、相談者にとって何物にも代えがたいはずです。
2. 給付金の「実利」をどう伝えるか
具体的な支給額は、失業給付の計算式と同じく賃金日額の約50%〜80%です。
例えば、月収30万円の層であれば、月々15万〜18万円程度(非課税)を受け取りながら、最大150日間じっくりと学びに没頭できます。
3. 相談時に必ずチェックすべき「受給の壁」
ただし、誰もが即座に使えるわけではありません。以下の3点は必ず確認しましょう。
4. 既存制度との「合わせ技」が最強
既存の教育訓練給付と混同されがちですが、この二つは「車の両輪」です。
項目教育訓練休暇給付金(新制度)教育訓練給付(既存制度)役割生活費のサポート(所得補填)受講費のサポート(学費補填)条件無給休暇を取得すること指定講座の受講・修了メリット在職中に無収入になる不安を解消最大80%の学費が戻る
これらを併用することで、「学費も生活費もカバーされた理想的な学び直し」が現実味を帯びてきます。
5. コンサルタントが隠さず伝えるべき「落とし穴」
ここがプロとしての腕の見せ所です。以下のリスクは必ずセットで伝えてください。
まとめ:次に私たちはどう動くべきか
「今の会社でMBAを取り、DXを推進したい」「半年休んでプログラミングを学び、社内異動を目指したい」。
そんな前向きな意志を持つクライエントにとって、この制度は貯金を切り崩すという精神的負担を取り払う画期的なものです。
まずは、担当するクライエントに「もし半年間の給付金付き休暇があったら、どんなスキルを得たいか?」と問いかけてみてください。そこから、新しいキャリアの選択肢が動き出すはずです。