今日は論理療法のエリスとゲシュタルト療法のパールズです
メルマガ第589号をお送りします
 
本日は論理療法のエリスとゲシュタルト療法のパールズをご紹介します。

また、冒頭で2025年に新設された教育訓練休暇給付金について説明します。特に在職シニアにとってセカンドキャリアに向けたリスキリングには非常に強力なサポートになります。試験に出る、というだけでなく、クライエントへのサポートの為にも知っておきたい知識です。
目次
 
(1)教育訓練休暇給付金について知っておこう
(2)アルバート・エリス
(3)【コラム】イラショナル・ビリーフの原体験
(4)フレデリック・パールズ
(5)【コラム】型破りな心理学者、フレデリック・パールズの面白い話
教育訓練休暇給付金について知っておこう

「在職したまま学び直す」時代の到来

キャリア相談の現場で、私たちは何度このジレンマに直面してきたでしょうか。

 

「スキルアップしたいけれど、仕事を辞めるのはリスクが大きすぎる。かといって働きながらでは時間が足りない……」。

そんなクライエントの背中を強力に押せる武器が、2026年の今、ついに整いました。それが教育訓練休暇給付金です。

 

1. 「退職」というギャンブルを不要にする新制度

これまでの社会人の学び直しは、失業給付(基本手当)をもらうために一度「退職」を選ぶのが一般的でした。しかし、これではキャリアの継続性が途切れるリスクが常に付きまといます。

 

今回の新制度の画期的な点は、雇用関係を維持したまま、無給休暇を取得して学習に専念できることです。籍を残したまま生活費が補填される。この安心感は、相談者にとって何物にも代えがたいはずです。

 

2. 給付金の「実利」をどう伝えるか

具体的な支給額は、失業給付の計算式と同じく賃金日額の約50%〜80%です。

例えば、月収30万円の層であれば、月々15万〜18万円程度(非課税)を受け取りながら、最大150日間じっくりと学びに没頭できます。

 

3. 相談時に必ずチェックすべき「受給の壁」

ただし、誰もが即座に使えるわけではありません。以下の3点は必ず確認しましょう。

  • 5年の重み: 雇用保険の被保険者期間が通算5年以上必要です。

  • 遊びはNG: 趣味の習い事ではなく、厚労省が指定する専門的な訓練が対象。

  • 65歳未満: 開始時点の年齢制限もあります。

4. 既存制度との「合わせ技」が最強

既存の教育訓練給付と混同されがちですが、この二つは「車の両輪」です。

 

項目教育訓練休暇給付金(新制度)教育訓練給付(既存制度)役割生活費のサポート(所得補填)受講費のサポート(学費補填)条件無給休暇を取得すること指定講座の受講・修了メリット在職中に無収入になる不安を解消最大80%の学費が戻る

これらを併用することで、「学費も生活費もカバーされた理想的な学び直し」が現実味を帯びてきます。

 

5. コンサルタントが隠さず伝えるべき「落とし穴」

ここがプロとしての腕の見せ所です。以下のリスクは必ずセットで伝えてください。

  • 失業手当の先食い: この給付を受けると、将来もし本当に退職した際、失業給付の受給日数が減る(または期間が差し引かれる)可能性があります。退職後のセーフティネットを一部使うことになるため、慎重なプランニングが欠かせません。

  • 会社の承認と有給の兼ね合い: 無給が条件のため、有給休暇との併用はできません。また、会社側に長期休暇を認める制度がない場合、個別の交渉が必要になります。

まとめ:次に私たちはどう動くべきか

「今の会社でMBAを取り、DXを推進したい」「半年休んでプログラミングを学び、社内異動を目指したい」。

 

そんな前向きな意志を持つクライエントにとって、この制度は貯金を切り崩すという精神的負担を取り払う画期的なものです。

 

まずは、担当するクライエントに「もし半年間の給付金付き休暇があったら、どんなスキルを得たいか?」と問いかけてみてください。そこから、新しいキャリアの選択肢が動き出すはずです。

アルバート・エリス (1913~2007)

論理療法を提唱した心理学者です。

ABC理論が有名です

それほど頻繁に出題されていないので、ABC理論がどんなものかを理解しておけば十分かもしれません。 

 

【エリスの出題傾向】
論理療法はそれぞれ単独で大問になるケースがあります。論理療法とは何か?を理解しておく必要があります。もっともポイントを押さえておけば、問題としてはそれほど厄介ではないので確実に点数がとれます。 また、試験問題としては「論理療法」として出題されエリスの名前が出てこないケースもありますのでご注意ください。 
論理療法
論理療法(rational therapy)とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した心理療法で、心理的問題や生理的反応は、出来事や刺激そのものではなく、それをどのように受け取ったかという認知を媒介として生じるとして、論理的(rational、あるいは合理的)な思考が心理に影響を及ぼすことを重視している考え方です。

つまり人の悩みは出来事そのものではなく、出来事の受け取り方によって生み出されるものなので、受け取り方を変えれば悩みはなくなるという考え方です。 
ABC理論

エリスの心理療法は論理情動行動療法(REBT )と呼ばれており、ABC理論は論理情動行動療法をモデル化したものです。ABCは以下の頭文字となっています。


A (Activating event) 先行する出来事や経験
B (Belief)信念、固定観念
C (Consequence) 人間の感情

 

その解決方策として以下の論駁とその効果による新しい信念の創出が示されています。

 

D (Discriminant and dispute)論駁(徹底的に反論し粉砕する)
非合理的なイラショナル・ビリーフを、合理的な考えであるラショナル・ビリーフに変えることで悩みが解消されます。イラショナル・ビリーフを変化させて合理的な考えに変えていくことを論駁(ろんばく)と呼びます。 

 

E (Effect) 効果 

論駁によって効果的な新しい解釈を生み出し、新しい信念や固定観念を創りだす

イラショナル・ビリーフ
非論理的な信念(~しなければならない、~のようにあるべき)といった信念。不快な感情をもたらすものなので、カウンセリングの中で修正することで改善されます。
 
エリスは人間の信念(Belief)にはイラショナル・ビリーフとラショナル・ビリーフの2つがあると考えました。イラショナル・ビリーフとは、「・・・でなければならない」といったようなある種、事実に即していないような思い込みのことであり、ラショナル・ビリーフは「できれば・・・であるほうがよい」といった柔軟な考え方です。
 

ラショナル・ビリーフ

  • 合理的な考え方
  • 現実的な考え方
  • 柔軟な考え方

イラショナル・ビリーフ

  • 不合理な信念
  • 非現実的
  • ねばらならない思考
  • 過剰な悲観

ラショナル・ビリーフを多く持ち、合理的な考え方ができる人は、物事を現実的に把握し、メンタルヘルスは良好です。一方で、イラショナル・ビリーフを多く持ち、不合理な考え方をしてしまう人は、感情の振れ幅が強くなり、イライラしたり、落ち込みやすくなります。

【コラム】イラショナル・ビリーフの原体験

 

エリスが19歳の時、まわりの「シャイな人間は女性にもてない」という考えに疑問を持ちました。そこでエリスがやったことがぶっ飛んでいます。

 

エリスは自分はシャイな人間であると自認していました。そしてその考えが間違っているか確認するために、ブロンクス植物園に行き100人の女性に声をかけた(つまりナンパですね)そうです。これだけ聞くと普通にヤバい人のように感じますが・・・本人が著書で書いているそうなので本当なんでしょう。

 

そもそも、こんなことをできるのなら、「シャイな男」ではないと思います💦 当たり前ですが100人に声をかけた結果、ナンパは成功しませんでした。ただ、エリスからの声かけに対し、穏やかに話をしてくれる女性も結構な人数いたそうです。

 

この経験をきっかけにエリスは「思い込みは現実的ではないことがあるので、実際に確かめてみることが大事である」と考えたそうです。この原体験がその後のイラショナル・ブリーフの概念につながったと言えるのかもしれません。

 

このエピソードはかなり有名なものだそうです。事実誤認、思い込み、決めつけといろいろありそうなエピソードですが、エリスの論理療法を理解するうえで役に立つと思いますので本日紹介しました。

フレデリック・パールズ (1893-1970)
 ゲシュタルト療法の提唱者。試験問題としてはパールの名前は出ず、ゲシュタルト療法についての問題が大問で出題されたりしますので要注意です。
【パールズの出題傾向】
ゲシュタルト療法もそれ自体単独で大問になるケースがあります。その場合パールズの名前は出てきませんので注意が必要で、ゲシュタルト療法とは何か?を理解しておく必要があります。もっともポイントを押さえておけば、問題としてはそれほど厄介ではないので確実に点数がとれます。  
 
下表のようにパールズは第22回から26回まで5回連続で選択肢として出題されています。決して難しい選択肢ではありませんので、当メルマガの内容を把握しておけば十分です。(但し、コラムの部分は試験には出ません)
ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法は、実存主義的、現象学的を基盤とした心理療法で、人間をありのままに捉えようとするもので、体験的な『気づき』を経て、より『自分らしく生きる』ことや、価値観を確立する心理療法になります。

『今ここ』での『気づき』を得る心理療法の体験を重視し、クライアントのゲシュタルトの回復を目標にしています。

 

ゲシュタルトとは「形、形態、個々の集まり、全体、閉じる、完結、統合」を意味するドイツ語です。

今、ここ(here and now)
ゲシュタルト療法は「今、ここ」で起きていることに焦点を当て「気付き」を得る心理療法です。過去に焦点を当てず、「今、ここで」何をしているか、それに「気付く」ことを重視します。 
 
<今 now>この瞬間に注目します。過去にあった辛い経験やトラウマに囚われないで、未来を恐れず、今現在感じている感情や思考、心の状態に注目します。変えることができるのは、過去ではなく今この瞬間だけなのです。
 
<ここ here>自分のいる場所を指します。実在しない妄想や幻想の場面に思いを馳せても環境は変わりません。リアルに自分がいる場所や環境に注目します。 
ゲシュタルト療法の技法
  1. エンプティ・チェア
    2つの椅子を用意して向かい合わせ、一方の椅子に自分が腰かけ、もう一方の空いている椅子には誰かが座っているとイメージして、会話していく方法です。 
  2. ファンタジー・トリップ

    クライエントに空想の世界に入ってもらい、色んなことを感じて気づきを得てもらう方法。

  3. 夢のワーク
    夢に出てきた人や物、雰囲気などになってみて、夢を再現し、それぞれ言語化や行動化をする方法で、「夢を生きる」ともいわれます。
  4. ボディ・ワーク 
    身体や、身体の一部になってみて、言語化や行動化を行う方法です。ことばを持たない身体にイメージの中で発言させ、気づきを得るものです。 

【コラム】型破りな心理学者、フレデリック・パールズの面白い話

ゲシュタルト療法と聞くと、少し難しいイメージがあるかもしれません。でも、その創始者であるフリッツ・パールズという人物は、実はとっても型破りで人間味あふれる、面白い人だったんです。彼がどんな人物だったのか、思わず「へぇ!」と言ってしまうようなエピソードをいくつかご紹介しますね。

 

権威なんておかまいなし!心理学の巨匠マズローに這い寄った日

 

ある有名なエピソードがあります。自己実現論で知られる心理学者、アブラハム・マズローの講演会での出来事です。講演の真っ最中に、パールズは突然立ち上がり、こう言い放ちました。「まるで学校の授業だ!先生が一方的に正しい答えを教えているだけじゃないか」と。

それだけでは終わりません。彼はなんと、椅子から床に滑り降り、這ってマズローの方へ近づきながら叫んだそうです。「みんながいるここに降りてこいよ!普通の人間の目線に!」

会場はさぞ驚いたでしょうね。でもこの行動こそ、机上の空論ではなく、人が「今、ここで」何を感じているかを何よりも大切にする、彼のセラピー哲学そのものだったのです。

 

自立と尊重をうたった「ゲシュタルトの祈り」

 

そんな彼の哲学が、ぎゅっと凝縮された詩があります。それが有名な「ゲシュタルトの祈り」です。彼はワークショップでこの詩を参加者と読み上げるのが好きだったと言われています。

私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。 私はあなたの期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。 そしてあなたも、私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。 もしも縁があって、私たちが出会えたのなら、それは素晴らしいこと。 出会えなくても、それもまた仕方のないこと。

一見すると、ちょっと冷たいというか、突き放したような印象を受けるかもしれませんね。でも、これは決して「他人はどうでもいい」という意味ではないんです。「まず自分を大切にしよう。そして、相手のことも、自分の思い通りにしようとせず、ありのままを尊重しよう」という、温かくて力強いメッセージが込められています。この言葉に、人間関係の悩みから解放された人は少なくありません。

 

フロイトとの決別、そして日本の「禅」との出会い

 

パールズの反骨精神は、心理学の世界の「王様」ともいえるフロイトにも向けられました。もともとは精神分析を学んでいた彼ですが、フロイト本人に会った時に冷たくあしらわれた経験などから、その手法に疑問を抱き始めます。

そして、自分の道を模索して世界を旅する中で、彼が心の拠り所を見出した一つが、なんと日本の「禅」でした。特に京都がお気に入りで、大徳寺に2ヶ月も滞在して座禅に打ち込んだそうです。この経験が、心と体を分けて考えず、「今、ここ」での「気づき」を何よりも大切にするゲシュタルト療法の土台の一部になったんですね。

 

いかがでしたか? どのエピソードからも、パールズがただの理論家ではなく、自分の信念に正直に生きた、情熱的でチャーミングな人物だったことが伝わってきますよね。彼のセラピーが今でも多くの人に影響を与えているのは、こんな人間的な魅力も大きく関係しているのかもしれません。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第589号)
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh
アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、ソーニョプランニング株式会社からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは info@sognoplanning.com よりinfo@sognoplanning.com 宛に送信しております。
〒220ー0004 神奈川県横浜市西区北幸1丁目11番1号水信ビル7F,


全てのメーリングリストから配信を停止する。 配信停止 | 登録情報更新