ロープレ試験のロープレでは当初相談者が話していた表面的な「来談目的」から、そこに相談者の本音が加わった「本当に相談したいこと」、さらに相談者の気付いていなかった視点を加えた「相談者の主訴」という3ステップを歩んで問題点把握につなげていきます。
ロープレ試験が上手く行かない方の多いのは、本当の意味でこの3ステップを理解し、練習してこなかった、という傾向があるように感じています。そのような方は建前の来談目的から本当に相談したいことを聞きだす前に、仕事や家庭環境など背景や補足事項について丁寧に傾聴します。
そして、一通り、聴いて聴くことが無くなると、今まで自分が確認してきた情報を元に自分なりの「相談者が本当に相談したいこと」を作り上げ、その前提で問題点の確認を進めていきます。運が良ければロープレの終わりごろに相談者の発言から自分の勘違いに気付きます。結局自分の誤りに気付かずにロープレが終了するケースもあります。
私はオンラインレッスンで「仕事の話は相談者が自主的に話すことに留め、自分からは訊かないことが鉄則」とお話ししているのは、そのような背景があります。ロープレの最初の時間帯でやらなければならないのは、表面的な来談目的から相談者が本当に相談したいこと移ることです。来談目的の説明の中で相談者が「相談したいこと」と話したことを深堀して、相談者の本音としての相談したいことを相談者自身に語ってもらう方が優先だかたです。
例えば転職を考えているのだけれど、どうして良いか分からなくなったから相談に来た、という30歳の男性を考えてみましょう。
来談目的で話をしていたのは
➀今の会社は入りたくて入った会社だったが、このところ仕事が自分に合わなくてやる気が出ない。
②今営業のセールスエンジニアとして顧客への技術サポートをやっているが、元々は技術部門で設計や研究開発を行いたかった。
③自分に合った仕事に異動すればやる気になると思って上司に相談したが、「30歳になってから営業から技術部門への異動は難しい」とのこと。
④それで、転職しようと考えて転職サイトに登録したが、話しがある会社には余り興味がわかず立ち往生している。どうしたら良いか相談したい。
ところが良く話を聞いていくと
➀今の会社は良いところがいっぱいあり、だから自分は凄く入りたくて入った。それなので、辞めるという決断がなかなかつかない。
②転職サイトで話が来る会社に興味がわかないのはそのせいかもしれない。
③設計、研究・開発と言っても業界や商品等によってもやることは全然違う。自分としては転職するなら今の会社とは違う業界で働きたい。どこから手をつけたらいいかわからない。
④仲の良い先輩と話をしていたら「何年もしつこく異動願いを出し続け営業から技術へ異動した人がいるよ」と言われた。
相談者の本音を聞けたら、こんな話になりました。これは転職がメインの話ではなく、どうしたら今の会社に働き続け、仕事に満足できるか?という話と言って良いでしょう。話の方向性は全然違っていますが、相談者が来談目的で全然違ったことを説明しているわけでは無いところに注目ください。
相談はその後続いて次のように展開しました
➀今の仕事は全然自分に合っていないと思っていたが、過去を振り返ると充実した案件もあったり、お客さんに喜ばれてやっていて良かったと思う機会もあった。
②考えてみると仕事がやる気にならないと感じる案件は特徴があるかもしれない。
③当初は余り感じていなかったが、ペアとして働いている営業の人間と合っていないのも原因か?
こうなると、主訴は明確に今の会社に勤め続けながら、自分が充実した仕事をできる状態にするためには、自分は何をすれば良いか?ということに変わっています。
この展開を行う上で、おそらくサービスエンジニアという仕事のことを深く確認する必要は無いでしょう。また、転職先の希望を細かく訊いていくのも方向性が違っています。
また、このようなロープレの流れは事前に役作りを行なっていなければできません。試験という重要な場なので、相談者役はその場で思いついて面白そうだからこっちに行ってみよう、というような安易な対応はできないからです。
ロープレ試験の際には、この3つのステップを意識し、寄り道をしないように相談者の話を追跡していきましょう! |