ロープレを行うときに気を付けることは何ですか?と質問された時に私は➀相手に合わせる②できるところを見せるの2つですね、と答えています。もちろん純粋にキャリコンスキルの向上を目的としたロープレ演習の場合は違ってきます。
国家資格のキャリアコンサルタント試験、特にキャリ協では第18回試験あたりから、ロープレ試験で色々な個性の相談者役が出てきているようです。受験者から聞いた話の中だ代表的な例を2つほど挙げると以下のようなパターンです。
【事例1】
相談者は自分は何をして良いか分からないの一点張りで、全然話が先に進まなかった。面談が行き詰まり、自分はだんだん焦ってきた。苦し紛れにうっかり「〇〇さんとしてどうしたいですか?」と訊ねてしまった。すると相談者は「それがわからないから相談しに来たんだ!」と激怒し、冷ややかな場になってしまった。自分の頭の中は真っ白になってしまい、当然、そのあとグダグダになってしまった。
【事例2】
相談者は最初からキャリコンからの投げかけに対しとても投げやりであった。問いかけにはまともに回答してもらえず、全然話が進まない。せめて何とか主訴を確認しようと粘り強く問いかけをしても、相談者は同じことを繰り返すばかりであった。そして相談者はどんどん不愉快な表情になっていく。余りの相談者の態度に自分もだんだん腹が立ってきて感情を押し殺してロープレを続けるのに必死だった。
これらはロープレ試験で不合格だった方とギリギリで受かった方のリアルな感想です。二人の受験者はどちらも「相談者役が自分に合ってなかったのだと思う。ロープレを練習している時にはこんなことはなかった」という主旨の感想を述べていました。一人の方は相談者に問題があると怒っていました。
それでは、これらのケースの相談者には問題があったのでしょうか?実際にそのロープレを私自身が見ているわけでは無いので、相談者役の人に問題があったのではないか?との受験者が考えることがおかしいと否定まではできません。ただ、かなり濃い相談者役であったということが伺えます。
さて、これらの事例は相談者役の問題なのでしょうか?私は必ずしもそうでは無いと考えています。実はこの2人に共通している問題がある可能性が高いと思います。つまり、「相手に合わせていない」ということです。
これらのキャリコン受験者は相談者役に合わせることができなかった。そのため相談者役はラポール形成に努めていないと判断し、ラポール形成ができない面談の対応を行う。そのような場だったのではないかなと思います。
ラポール形成ができた、できなかったの判断は相談者役の主観で決められます。つまり。キャリコンの資格を持っている相談者役がラポール形成のステップにどのように考えているかで結果が違うのです。
とはいえ、少なくともキャリコン受験者が相手に合わせていれば、このようなぎくしゃくした状況になりません。ラポール形成につながりにくいキャリコンの対応であれば、相談者役は何らかの形で態度でそれを示すでしょう。そのシグナルを見落とさないようにしましょう。
また、全く話さない相談者役の話をよく聞きます。話さないと言っても来談目的を話さないことはないでしょう。来談目的を聴くやりとりのキャリコンの対応がまずかった可能性が高いと思います。これも相談者役をしっかり観察することで対応が可能です。
ロープレ試験直前、相談者をしっかり観察することを心に留めておいてください。