今日はシステマチックアプローチについて
さて、メルマガ第625号をお送りします。
 
本日はシステマチックアプローチについてです。
 
システマチックアプローチについての問題は毎回の試験で2~4問出題されており、確実に点数をとる分野です。試験問題としては、なかなか難問を作りづらい内容なので、大筋を覚えておけば確実に得点可能です。
 
この分野の問題はステップ毎に出題されます。過去問を3~5回分をピックアップしてやっておくことをお勧めします。
 
このシステマティックアプローチは、カナダ雇用移民の「個人雇用カウンセリング-システマティックアプローチ」の執筆を行ったベザンソン(Bezanson)とデコフ(Decoff)によって作られたものでです。ただ、この名前は出題されていないようです。
目次

  1. システマティック・アプローチ攻略!「ひっかけ」を見抜く合格への視点
  2. システマティック・アプローチの流れ
  3. 【コラム】「システマティック・アプローチ」のメリット・デメリット
システマティック・アプローチ攻略!
「ひっかけ」を見抜く合格への視点

キャリアコンサルタント試験の過去問を解いていると、必ずと言っていいほど目にするのが「プロセスの順番」や「カウンセラーのあるべき態度」を問う問題です。

特に手順の並べ替えを求める問題は「落とせない一問」ですが、実はここ、「型」さえ覚えてしまえば、面白いほどサービス問題に変わります。


今回は、試験で受験生がハマりやすい「ひっかけポイント」に絞って、実戦的な解説をお届けします。


1. まずは「黄金の6ステップ」を体に叩き込む

まずは基本のキ。カウンセリングは以下の流れで進みます。この順番が入れ替わって出題されるのが定番のパターンです。

  1. 関係構築(ラポール形成):まずは仲良くなるところから。

  2. 問題の把握:何に困っているのか深掘り。

  3. 目標の設定:どこを目指すか決める。

  4. 方策の実行:具体的に動いてみる。

  5. 結果の評価:うまくいったか振り返り。

  6. カウンセリングの終了:自立を見届けてお別れ。


2. ここが狙われる!ステップ別「ひっかけ」回避術

試験問題の選択肢には、一見正しそうで実は「×」な表現が巧妙に紛れ込んでいます。

① 関係構築:急がば回れ!

初期段階で「よし、じゃあこうしましょう!」と解決策を提示したり、カウンセラーが主導権を握って目標を決めたりする選択肢は、100%誤りです。 まずは「この人なら話せる」と思ってもらうこと。また、ラポールは一度できたら終わりではなく、最後の最後までメンテナンスし続けるものだという点も忘れずに。

② 問題の把握:相談者の言葉を「鵜呑み」にしない

相談者が「人間関係が辛いです」と言っても、それが真の問題とは限りません。プロの視点で「本当の根っこはどこか?」を多角的に見立てることが求められます。


③ 目標設定:ここは「ひっかけ」の宝庫!

  • 勝手に決めない: カウンセラーが「これがベストだ」と押し付けるのはNGです。必ず相談者との「合意(コミットメント)」が必要です。

  • ガチガチに固めない: 「一度決めたら絶対変更不可」なんてことはありません。状況に合わせて柔軟に変えてOKです。

  • 欲張らない: いきなりエベレストを目指すのではなく、まずは近所の丘に登るような「スモールステップ」で達成感を味わってもらうのが正解です。

④ 方策の実行:主役はあくまで「相談者」

よくある誤答パターンは、カウンセラーが代わりに手続きをしてあげたり、一つの方法を強要したりするもの。 「メリットとデメリットを天秤にかけ、相談者が自分の責任で選んで動く」のをサポートするのが私たちの役割です。必要なら「約束事(契約)」を交わして、お互いの役割をハッキリさせるのも有効なテクニックです。


⑤ 結果の評価:誰が満足すればいい?

ここが重要です。「うまくいったかどうか」を決めるのはカウンセラーではなく、クライエント本人です。 「気持ちがスッキリした」という主観も大事ですが、試験では「実際に履歴書を書いたか」「面接を予約したか」といった具体的な行動の変化に基づいているかどうかがチェックされます。


⑥ 相談の終結:引き際が肝心

「目標達成!はい、さようなら」と一方的に切るのも、依存させてダラダラ続けるのも不適切です。 「何かあったらまたおいで」という安心感を残しつつ、学んだことをこれからの人生にどう活かすかを話し合って、笑顔で送り出すのが理想です。


合格へのアドバイス

システマティック・アプローチの問題で迷ったら、自分にこう問いかけてみてください。

「これ、カウンセラーが勝手に決めつけて、相談者の自立を邪魔してないかな?」

もし少しでも「強制」や「独断」の匂いがしたら、その選択肢は間違いなく「不適切」です。相談者の主体性を尊重する姿勢さえ忘れなければ、正解への道筋は自ずと見えてくるはずです。

システマチック・アプローチの流れ
  1. カウンセリングの開始 
  2. 問題の把握
  3. 目標の設定
  4. 方策の実行
  5. 結果の評価
  6. カウンセリングとケースの終了

①カウンセリングの開始:まずは「安心の場」を創る 

カウンセリングの開始は、テクニック以前に「あなたの味方ですよ」という空気感を作るフェーズです。

  • ラポール(信頼)の形成: 相手の言葉だけでなく、表情や沈黙にも寄り添います。「この人なら、心の奥をさらけ出しても大丈夫だ」と思ってもらえるかが勝負です。

 ②問題の把握:表面上の悩みと「真の問題」を見極める

相談者が話す「困りごと(主訴)」を大切にしながらも、キャリコンがプロとしての「見立て」を並行させます。

  • 視点の共有: 「私はこう感じましたが、ご自身ではどう見えますか?」と問いかけ、二人で同じ課題を見つめる作業です。ここがズレると、後の対策がすべて空回りしてしまいます。

③ 目標の設定:納得感のある「契約」を結ぶ
「とりあえず頑張りましょう」ではなく、具体的でワクワクするゴールを決めます。
〇〇目標設定の5ステップ〇〇
④方策の実行:オーダーメイドの作戦会議

目標が決まったら、いよいよ行動です。マニュアル通りではなく、「その人の性格や状況に合うか」を重視します。

  • 意思決定のサポート: 「何かを選ぶことは、何かを捨てること」という覚悟を支えます。

  • 学習と自己管理: 依存させるのではなく、相談者が「自分一人でも問題を解決できる力(自律性)」を身につけるためのサポートをします。

💡 情報提供のコツ 情報をただ「与える」のではなく、**「自分で手に入れる方法」**を教えましょう。耳の痛い現実(厳しい就職状況など)も、一般論として提示しながら、本人が自ら気づき、現実と向き合えるようサポートするのがコツです。

〇〇主な方策の種類〇〇
【1】意思決定
クライエントが意思決定することを支援する方策です。
  • カウンセリング・プロセスの中でクライエントは、受動的でなく積極的な役割を果たすことができる。
  • 1つを選択することは、他を捨てることである。何を捨てるかは、何を選ぶかと同様に重要である。
  • 意思決定には必ず不確実性を伴う。決定されたことは変わることがあるし、完璧性よりは可能性を重視すべきである。
  • 意思決定のタイミングは、その内容と同様に重要である
【2】学習 
クライエント自身が目標を立て、学習できるような状況を創り出し支援する方策です。支援する学習には以下の3つのカテゴリーがあります。
  • 技能(Skill)
  • 行動パターン(Action Pattern)
  • 意欲(Needs)
【3】自己管理 
カウンセラーへの依存ではなく、自分で問題を発見し、目標を定め、方策を選び、それを実行する進め方です。以下の3分野があります。
  • 自己監視(セルフ・モニタリング)
  • 状況の修正
  • 行動の学習

システマティックアプローチにおける職業情報提供の留意点

  • 原則としてクライエントが情報を自身で得る方法を教えること。
  • 自身の責任と行動で体験させること。
クライエントにとって否定的な情報は、一般的に受け入れられにくい。例えば就職を困難にしている習慣、観念、性格、高すぎる期待などの非現実性をクライエントが持っている場合である。この場合はカウンセラーから与えられる一般情報を基に、クライエントが自分の期待内容等を再評価し、現実に合わせていく「自己学習」をさせるのが良い進め方とされています。
⑤結果の評価:感情ではなく「事実」で振り返る

「なんとなくスッキリした」で終わらせないのがシステマティック・アプローチです。

  • 行動の変化を見る: 気持ちの変化はもちろん、「実際にハローワークへ行った」「求人を3件調べた」といった客観的な事実で成果を評価します。

  • 本人が評価する: キャリコンが決めるのではなく、相談者自身が「自分はここまでできた」と実感することが、次への自信に繋がります。

⑥カウンセリングの終了:自立への門出

「もう一人で大丈夫ですね」と笑顔で送り出すステップです。

  • いつでも戻ってこれる安心感: 終了は「決別」ではありません。「また壁にぶつかったら、いつでもここに来てください」というセーフティネットを提示して、完結します。

◇クライエントの成長評価の注意点

 

クライエントが成長したと感情で認識するのではなく、実際に行動が変わったという事実によること。

評価するのはカウンセラーや第3者ではなく、クライエント自身である。カウンセラーはその機会を提供し、クライエントの評価に耳を傾け、容認する。

「システマティック・アプローチ」のメリット・デメリット

カナダで生まれた「システマティック・アプローチ」は、キャリアカウンセリングの技法で、現在の日本のキャリアコンサルティングの中心としてロジャーズの「来談者中心療法」と双璧になっています。

「システマティック・アプローチ」は従来の特性因子論的なマッチング(個人と職業の適合)だけでなく、個人の主観的な経験や価値観を重視する構成主義(ナラティブ・アプローチ)の考え方を取り入れているのが特徴です。

このアプローチには、主に以下のメリットとデメリットがあります。特にデメリットの部分は知って練習するのと、知らないで練習するのでは全く違ってくるものです。


<メリット>

 

最大のメリットは、体系化された支援プロセスと、クライエント(相談者)中心の深い理解を両立できる点です。

 

カウンセリングが場当たり的にならず、「関係構築」「問題の明確化」「自己探索」「意味の解釈」「意思決定」「行動計画」といった段階を追って(システマティックに)進められるため、カウンセラーもクライエントも「今どの段階にいるのか」を把握しやすく、迷走しにくい構造になっています。

 

また、単にスキルや適性を診断するのではなく、クライエントの「語り(ナラティブ)」に耳を傾け、その人固有の経験や価値観、キャリアに対する「意味づけ」を重視します。これにより、クライエントは表層的な職業選択ではなく、自分自身の人生の文脈(ライフキャリア)の中で納得感のあるキャリアを主体的に構築していくことができます。自己理解を深め、将来への展望を描く上で非常に有効なアプローチと言えます。


<デメリット>

一方、デメリットとしては、クライエントの深い内省や「意味」の再構築を促すため、比較的時間がかかる傾向があることです。「今すぐ辞めたい」「手っ取り早く次にやるべき仕事を知りたい」といった、即時的な解決を求めるクライエントにとっては、プロセスが冗長(じょうちょう)で、まどろっこしく感じられる可能性があります。

 

最も大きな課題は、カウンセラー側に高度な専門性が要求される点です。このアプローチは単なるマニュアルではなく、構造(システム)を用いつつも、クライエントの語りに柔軟に寄り添い、本質的な問いを投げかける「アート(技術)」的な側面が不可欠です。カウンセラーの傾聴力、質問力、そして構成主義的な理論理解が不足していると、単に手順をなぞるだけの形式的な面談に陥り、アプローチ本来の良さを引き出せない危険性があります。

メルマガ名:キャリコン試験対策メルマガ(第625号) 
発行者  :夢ロープレ研究室
発行責任者:中島則生
発行会社 :ソーニョプランニング株式会社
夢ロープレ研究室ホームページ:https://career-c.sognoplanning.com/
(YouTube)夢ロープレ研究室チャンネル:https://tinyurl.com/2buq7p5w
公式LINE:https://lin.ee/erkyqbh
アーカイブ(直近10号分):https://archive.benchmarkemail.com/yume_roleplay
正しく表示されない場合はこちら
このメールは、ソーニョプランニング株式会社からのメール配信をご希望された方に送信しております。今後も引き続きメールの受信を希望される方は こちらをクリック してください。 今後メールの受信をご希望されない方は、こちらから配信停止手続きが行えます。
本メールは info@sognoplanning.com よりinfo@sognoplanning.com 宛に送信しております。
〒220ー0004 神奈川県横浜市西区北幸1丁目11番1号水信ビル7F,


全てのメーリングリストから配信を停止する。 配信停止 | 登録情報更新