■Zoomを選んだ理由は次の通りです。
① 40分までのグループ通話が無料
② 繋がりにくくなる頻度が少ない
③ チャット機能で文字でやりとりもできる
④ ホワイトボードの機能があるので、生徒1人ずつリレーで先生が言う英語を書いたりできる
⑤ テレビ会議(ミーティング)と、web講演(ウエビナー)の両方に対応している
⑥ 大人数でも問題なくレッスン可能
⑦ 録画ができるので復習にも使える。プレゼンテーションも問題なくできる
*いつもの英語レッスンのように「聞いて」「話して」「相互のやりとりができるのが魅力
■Zoomのセキュリティ問題について。
今はZoomが主流ですが、セキュリティ問題が指摘されているため、最新バージョンを使い、1度に40分以上使用する場合は有料版にする方が安心です。まずは最もシンプルに使えるZoomに慣れておいて、他のツールも併用するなど、ミーティングアプリについて柔軟に対応することも必要です。
■他にどんなツールがあるか?
企業がオンライン会議などで使うサービスには、Zoomの他にTeams/ Skype/Webex/Chatwork/Slackなどあり、全面的にテレワークを行う企業では複数のツールを設定しておき、途中で音声が途切れ始めたりすると午後からはTeamsで、と使い分けているそうです。Skypeは無料、チャットがメイン。Teamsは無料もありマイクロソフト社製なのでMSソフトとの連携力が良い。Webexは料金は高いけれど安定して使える。海外とのオンライン会議や会議通訳の仕事ではWebexを使っているとの声あり(医療系も多い?)。Chatworkは有料、進捗確認やタスク管理などの機能もあり。Slackは有料でエンジニア向けに多いとの声あり。
■オンラインレッスンをどのように活用しているか。
1.自学自習時間を共有
家で一人で自学習をするよりも、同じ時間を画面で共有し、同じ時間に一緒にプリント→仲間で繋がる安心感、やる気を起こすため。
2.先生と繋がり語らいの場
レッスン休止で英語を忘れることを防ぐため、「通常レッスンと違ってできないこと」ではなく「離れているのにここまでできる」ことにフォーカス。多くは言葉がけ、健康であることの確認から入り、「英語を使う」Speakingや会話の場とする。
3.テキストの復習
新しいテキストに入るのは5月連休明けからとし、4月中はこれまでの学習内容の補習、確認に充てる(3月を休講にしたため、けっこう忘れている子もいる)
4.予め用意した動画を流す
動画等を事前に作成しておき、決まった時間にLINEで呼びかけて流す→とりあえず英語の時間を共有→生徒は受け身の参加になり一言も英語を話さず終わるので注意。
【小学生クラスの実際】
1.
レッスンの前にIce breakタイムを設ける。
生徒が緊張していることを想定しIce breakは必須。慣れるまでは日本語でいいので楽しく話し緊張を解くことが大切。
2.
既習の英語でQA Time:生徒が飽きないよう10~15分で。
① 画面越しに顔を見て声を聞いて、日常の挨拶、体の調子や日常生活を1人1人にたずねる。How are you? What did you do yesterday? でリアル英会話。上半身しか見えないのでボトムで何を着ているか等、慣れてきたら会話を増やす。
② 時間、昨日の天気は?など英語でやりとりを続ける。例:4月はふつう暖かいのに雪だった、寒かった、コートが必要だった等、きのう見たテレビの話、何を食べたか、(今行けないけど行けるようになったら)どこに行きたいか、など本当に聞きたい興味のあることを話しかけ、質問し、生徒から英語を引き出す(日本語でOK.日本語→英語を増やしていく)
③ 生徒Aが話したことを生徒Bに質問し、普段のQuestion Timeをオンラインでもおこなう(オンラインでもQATimeは通常通りできる。ただし先生は顔の表情を通常のレッスンの2倍増しで大袈裟気味にするか、手の動きを付けてわかりやすく)
④ 【文部科学省のSmall Talkの手法】先生が10-15個の英文で最近起こったこと、思ったこと、考えたことなどを話し、内容を理解しているかどうかQAしていく。 例:Yesterday I went to ... by my car, but I forgot to ...It was... because...Also...Then... I think...etc.
*英文を事前に作る時、既習のテキストの中の表現を意図的に入れる。
⑤ 【高学年クラス】話が途切れたら、5秒以内にBy the wayで繋ぐと決めて、笑いと楽しさの中で英語の数を数えていく。 I see.とLouder please. は2回限りとする等、クラスごとにNGワードを決める(NGワードは紙に書いて見せておく)。
⑥ 各生徒の自宅が画面に映るのでプライベートが少し見えるのを英語で話すネタにする。
カメラの後ろに映る物や、大きい音が聞こえた時に英語で話しかける。
Oh, you have a nice sofa! I can see your pet. That’s Kenta, your dog! 兄弟や保護者の方が映ったらThis is my little brother. His name is....など。
⑦ 【メリハリの工夫】画面が地味になりやすいので、「オンラインドレスコード」的に(遊びの要素を加えて)明るい色の服を着ることにし(新しく買わない)、カメラをoffにし音声だけで話し、その後カメラをonにして何を着ているか確認。(画面をonにした時、ちょっとした楽しみができる)
⑧ 修了したテキストのあるページの英語を先生が言い、What page? でどのページか探させる。レッスン日がテキストに書いてあれば、いつやったか?簡単だったか難しかったかゴールドシールをもらったか生徒に聞いていく。Show me your textbook.でゴールドシールの有無を確認したり、時にsuspiciousな表情で聞き返すなどトランプゲームのダウトのように楽しくおこなう。
次は生徒に先生役をさせ、習ったテキストの好きなページを「音読リレー」をする。
(最初に先生がわざと早口で言うなど楽しさや生徒のやる気を意識しておこなう)
3.課題を与える場合:
■復習した英文を使って後日、生徒1人1人と電話で英会話
① トピックを与えて、どんな英文を使うか紙に書いて見せるなど、ヒントを与える。
② オンラインレッスン後、先生が各生徒に電話→個別に英語でやりとりをする。
③ その内容によってポイントを付与。英語のフィードバックは緩めに。
■気軽にできる「自己表現」:my bag/ my mask/ my glasses
① コロナ対策として自分がアパレルメーカーならどんなマスクを作るかを考え、my maskを考えさせる。
② This is my mask. It is pink and white. My mother gave it to me.などクラスのレベルに合わせて英文を書いて、次回のオンラインレッスン時に発表。
③ 絵を画面上で見せあった後、どのマスクがよいかvote/ブログに書く(Creative writing) etc.
■家にある自慢のものを、各自My treasureでShow and tell。
4.通常のレッスンを2回に分けておこなう(20分×2回、30分×2回等)
・通常のレッスンを画面上でおこなう。完璧を目指さなければ何とかできる。
・パソコン画面にPDFを出し、画面共有で見せる。カード類はロム(Learning World1,2,3等)からミニサイズのものをカード化しておくと、カメラで見せやすい。
・Question Timeで生徒と既習の英語表現を使って英語のやりとりをするのはeasyとの声多数。
■オンラインレッスンで気がついたこと
1. 最初に、テキストだけでなく学習道具がそろっているか1つ1つ見せ、これとこれが必要です、揃っていますか?と確認が必要。LINEなどで画像付きで準備物を伝言。開始時間を守ってもらう工夫も大切
2.保護者に「充電」のお願いと、「大きな生活音のしない部屋で参加」できるよう可能な限りお願いする(リビングの場合、生活音が聞こえるので、多少はOKとするが集中できない場合も) 。
3 .ホワイトボードは光ったりして見えづらい場合があるので、白紙の紙に手書きで書いて見せる(このアナログ感はNHK深夜の「今夜も生でさだまさし」ふうに楽しくやる)
4.「聞こえない」「見えない」が発生するので、I cannot hear you! One more time. Can you hear me? Show me, please. I understand what you say. などを英語でやりとりする機会ととらえる。ハプニングを楽しむ。上半身しか見えないので、顔の表情を豊かに(笑顔、明るい表情が命?)
5.話す英語が聞こえるまでに少し「間」が必要なので、「中継」している感覚で通常レッスン時より、話す間に気を付ける(TVなどで遠距離中継の時の時間差をイメージ)。
6. 生徒が一斉に言うとnoisyなのでRaise your hand.で手を挙げさせるかWhose turn? で1人ずつ言う。聞こえているかどうかの確認は共通の動作を生徒と一緒に決める。〇×やYES NOのミニカードを作ってクイズ的に一斉に見せる等。
7. 難しいのは歌。時間差があるので、音声をミュートにして口の動きで歌えているかどうかをチェック。
8. オンラインレッスンをできる環境にない生徒さんとの差をどうするかは課題。
9. 子供達はかなり緊張し、友達同士でもまるで初対面のような反応になることも起こるので、いつもの2倍増し3倍増しで褒める。
10. Writingの宿題チェックをどうするか⇒ワークブックの答え合わせはLINEで答えを保護者に送りチェックしてもらうか、スクールHPに宿題の答えをアップするか。(ワークブックの添削はオンラインではできないので最初は諦めていたが、英語を書く必要を感じて再開。答えはレッスンの中で生徒との会話で確認するようにしているスクールも)
【幼児クラスの実際】
1. 公園など外で「青空教室」を1週ごとに天気の良い日は実践
2. 窓を全開にして短縮レッスン×2回というスクールも。
3. オンラインレッスンにトライ
とさまざまですが、オンラインレッスンについて情報を集めてみました。
【幼児クラスだから大切なこと】
1. 何よりも先生との信頼関係を築くことが大切。
幼児は先生が大好きなら自分をさらけ出す。この人は信頼できる、と思えばとことん自分を出してくる。
画面を通す分、表情なども2倍増しで。子供達が先生を信頼していればOK。
2. レッスン時間/人数:レッスン時間:15分(長くても20分) 25分×2回
人数はオンラインの場合は3-4名までが理想か?
少人数でスタートして「人数が増えてきたら、レッスンの数を増やします」と自由度を持たせると運営しやすい。
3. レッスンの流れをルーティン化する。(毎回違うことをすると幼児は混乱する)
4. ハプニングはあって当たり前。完璧をめざさない。
幼児期はインプット中心でOKなので、楽しんで英語に触れることを意識し、音のクオリティは低くても気にしない。伝わればOK、聞こえればOK。3,4歳は英語の歌を中心に。(聞いていなくても良い、参加していることが大切)そのうち聞いてくれるようになる。習慣づけるまでは時間がかかる。
【オンラインレッスン当日よりも事前にすること】
1. 個々に電話しておく。
先生との信頼関係を作るために電話かFacetimeなどで「次の〇日に画面を通して一緒に遊ぼうね、一緒に遊ぶお友達、3人いるんだよ」などと話しておく。
2.事前に自分がカメラ越しにどう見えるか、上半身の動き、1度チェックしておくとスムーズ。
3.「えいごのお部屋にやってきました!」という空気感を出すために、画面に映る先生側の後ろにアルファベットポスターや絵カード、色のチャート、テキストのキャラクターカードなどを貼り、画面を通してカラフルに楽しい雰囲気が見えるようにしておく。
【レッスン内容(例)】
レッスン中、子供達の名前をなるべく意識して呼んであげる。恥ずかしがっていても注目を浴びることでレッスンの雰囲気に引きずり込む。
1.挨拶、自己紹介:「聞く」と「言う」+「楽しさ」で構成する(幼児の集中力は3分)
2.歌、ゲーム、絵を使って、やることを決めておく。
「英語は耳から」なので、音声や絵を使って、英語表現や語彙をインプット。楽しくボキャブラリーを少しずつ増やす。
3.絵カードを見せて、何がなくなったか、何が違うか、何が同じか、シンプルに答えられるものにする。
What’s missing?やMemory gameなど語彙を効果的にインプットする活動がおすすめ。
(絵カードは4-5枚から始める。年長でも6枚まで)
What color is it? What’s this? Do you like it? など英語で声掛けをする。
補足:幼児は気に入れば同じことするのが大好きなのでシンプルでよい。ツボにはまるシンプルなものを繰り返す。絵カードも、オモテばかり見せたらウラを使う程度でOK。
4.WELCOME PINK/ YELLOW/ BLUEをいわゆる絵本のように使う。
・各ページの絵に注目させて、How many cats? Cats…meow… just one? のようにシンプルで短い英語で語りかけながら絵や数字、色を探させて英語で発話させる。
・SPYゲーム:何が見えるか→何色か、大きいか小さいか、いくつあるか、あるかないか等楽しくやりとり。
オンラインであっても、レッスンをするのは生身の人間なので通常のレッスン同様にコミュニケーションを大切にする。
【オンラインレッスン後】
オンラインでのレッスン中には気づいていないこともあるので、保護者の方に後で電話をし、レッスン中どうだったかを尋ねておくと次がスムーズになりやすい。
(お子さんが楽しそうにしていた、歌っていた、真似ていた、受け答えをしていた、英語の時間を過ごしたんだな、とわかるように) |