★なぜ私は、せっかくの好意を拒絶してしまったのか★

 

 

街中を走る

ランナーの姿が増えるこの季節。

 

 

マラソンシーズンが到来すると、

私は必ず、ある「ほろ苦い記憶」を

思い出します。

 

 

それは、

私が初めてフルマラソンに

挑戦した時のこと。

 

 

記念すべき

「第一回熊本城マラソン」での

出来事です。

 

 

42.195キロという未知の距離。

 

 

初挑戦ということもあり、

心身ともに余裕がない状態で

走っていました。

 

 

後半に差し掛かり、

疲労がピークに達していた頃、

あるエイドステーション(給水、給食)の

前を通りました。

 

 

そこには、

ボランティアとして参加していた

私の知人の姿がありました。

 

 

なんとその知人は、

私のために特別に

「ミスドのドーナツ」を

準備して待っていてくれたのです。

 

 

疲れた体に甘いドーナツ。

 

 

普通なら飛びつくほど

嬉しいサプライズです。

 

 

しかし、あろうことか私は、

その好意に対して

こう言ってしまいました。

 

「要りません」

 

そう言って、

そのまま走り去ってしまったのです。

 

 

決してお腹がいっぱいだったわけでも、

ドーナツが嫌いだったわけでも

ありません。

 

 

ただ単に「遠慮」してしまったのです。

 

 

しかし、その場を離れ、

走り続けるうちに、

猛烈な後悔が押し寄せてきました。

 

 

「せっかく

自分のために用意してくれたのに」

 

「あの好意を無下にしてしまった」

 

 

なぜ、素直に「ありがとう」と

言えなかったのか。

 

 

当時は

「初マラソンで余裕がなかったからだ」と

自分に言い訳をしていました。

 

 

確かにそれも理由の一つでしょう。

 

 

でも、今振り返ると、

もっと根本的な原因があったことに

気づきます。

 

 

それは、

当時の私が抱えていた

「強い自己否定」です。

 

 

心のどこかで、

こう思い込んでいたのです。

 

 

「こんな自分に、

そんな特別なことをしてもらう

価値はない」

 

 

相手の優しさを受け取るだけの価値が、

自分にあると

思えていなかったのです。

 

だから、

反射的に好意を拒絶してしまった。

 

 

それは

「謙虚」や「遠慮」に見せかけた、

「自己卑下」という名の拒絶でした。

 

 

相手の温かい気持ちよりも、

自分の「受け取る価値のなさ」を

優先させてしまったのです。

 

 

なんと愚かなことだったろう、

と今は思います。

 

 

このドーナツの出来事は、

私にとって大きな転機となりました。

 

 

過度な自己否定は、

自分を傷つけるだけでなく、

相手の好意さえも無駄にしてしまう。

 

 

そのことに気づいてから、

私は少しずつ、

自分の思考の癖を変える取り組み

始めました。

 

 

「自分なんて」と思う瞬間があっても、

あの時のドーナツを思い出して、

「ありがとう」と受け取る練習を

重ねてきました。

 

 

今の私があるのは、あの日、

受け取れなかったドーナツが

教えてくれた 教訓のおかげかも

しれません。

 

 

もし、あなたが、

誰かからの好意や褒め言葉を

「いえいえ、私なんて」と

断りそうになったら、

ぜひ、私のこの失敗談を

思い出してください。

 

 

相手は、

あなたに価値があると思うからこそ、

それを渡そうとしてくれています。

 

 

その時は勇気を出して、

「ありがとうございます」と

笑顔で受け取ってみてくださいね。

 

 

きっとそこから、

自分自身への信頼も

育っていくはずです。

 

 

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編集後記
 
 
本文で書いたエピソードに
登場する方とは、
以前いたコミュニティを離れてから
疎遠になっています。
 
その当時のことを謝れていないのが
私の一つの
「未完了」となっています。
 
もし会う機会があったら、
その当時の思い出を懐かしみつつ、
素直に感謝の気持ちも込めて
お詫びしたいと思っています。
 
それにしても、
普段の自分の扱い方が、
こういうとっさの場面で
表れるんですから、
怖いですね…。
 
自己否定は、他者否定にも
つながりかねません。
 
自分で自分をどう扱うかが
いかに大切なことかを
教えてくれたこの苦い出来事が
この季節になると
ふっと思い出されます。
 
そうやって、
繰り返し、繰り返し
私に大切なことを
教えてくれるのです。
 
 
 
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