以前、こんな方がいました。
人に頼んだことを、
頼んだ通りにやってもらえなかった。
そのことが
ずっと気になっていたのですが、
話していくうちに、
「ないがしろにされたようで、
悲しかったのだ」と、
自分の気持ちに気づきました。
では、
その気持ちを相手に伝えますか。
そう聞くと、
この方はこう答えました。
「もういいです。
自分の気持ちが自分で分かったから、
それで十分です」
伝えないまま終わったのに、
すっきりしている。
一方で、
伝えないまま終わって、
もやもやが残ることもあります。
同じ「伝えない」なのに、
この違いは何か。
一つは、この方のように、
伝えないことを選んでいる場合。
自分が何を感じたか分かっていて、
そのうえで
「今回は言わない」と決める。
この場合は、
もやもやが残りません。
決めたのは自分だからです。
もう一つは、
言えないでいる場合。
言いたい気持ちはあるのに、
口に出せない。
そのまま時間だけが過ぎていく。
こちらは、もやもやが残ります。
以前、ある方がこの違いを、
こんなふうに話していました。
伝えないことを
自分で選んでいるときは、
後悔しない。
でも、
言えない気持ちを
ためこんでいるときは、違う。
何も言わずにいるのに、
気づいてほしい、
察してほしいと思っている。
自分からは何も伝えていないのに、
相手にだけ期待している。
厄介なのは、この二つが、
外からは同じに見えることです。
どちらの場合も、
外から見えるのは、
何も言わない姿だけです。
周りには区別がつきません。
だから、
確かめる方法は一つしかありません。
言わずにいるとき、
自分に聞いてみることです。
私はいま、
言わないと決めたのか。
それとも、
言えないままでいるのか。
決めたのなら、それでいいのです。
冒頭の方のように、
気持ちが自分で分かっていれば、
伝えなくても、
それだけで気が済むことは
実際にあります。
決めた覚えがないなら。
気づいてほしいと思いながら
言わずにいるなら。
今日の一問です。
最近、言わなかったことを、
一つ思い出してみてください。
そして確かめてみてください。
あれは、
言わないと決めたのだろうか。
言えなかったのだろうか。
言わないと決めていたのなら、
それでかまいません。
なかったのなら、
あなたの中に、
まだ確かめていない気持ちが
残っています。
何を感じたのか。
そう感じたのは、
何を大切にしているからなのか。
順にたどってみてください。
そこまで分かれば、
伝えるか伝えないかを、
今度は自分で
決められるようになります。
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