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contact = ネコ
~英語も高低アクセント~

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英語の発音解説では、よく「日本語=高低アクセントであるのに対し、英語=強弱アクセントだ」という言われ方をされてしまうが、この認識は不正確である。

英語らしい発音の肝となるのは、「強く言うべき音節は高く長くはっきりした母音で、弱く言うべき音節は低く短くあいまい母音で」発音するというメリハリをつけることである。日本語ネイティヴの学習者に対し、母語で生じない「ある部分を『弱く』言え」というアドヴァイスは通じにくいはずである。一方で音の高低差に関しては、例えば「あめ:雨/飴」や「はし:箸/橋/端」など、日本語の例と結びつけてはっきりとイメージしてもらいやすい。

先日のTOEIC講座にて、"Please contact my assistant..."という文を言うときに、contact |ˈkɒntækt |をどうにも oO のように発音してしまう生徒がいた。勘違いであっても癖がつくと治りにくいもので、単語単体で言い直させる限りでは正しい Ooにすぐ改善できるのだが、フレーズ・文の中で発音させると oOになってしまう状態が続いていた。

これを矯正するにあたって -tactの部分を低く言うように指導し、魔法の杖で高低差のつけ方を視覚的にイメージさせて実際に発音させてみると、最初の数回は癖が現れて安定しなかったものの、次第に感覚を掴んでくれたようで、最終的には申し分なく正しい発音で文全体を read-and-look-upできるまでに至った。

察しの良い読者諸君であれば、今回の記事タイトルである「contact = ネコ」の意図はもうお分かりであろう。contact |ˈkɒntækt | はと同じ感覚で言えば(もちろん、con-部分の長さや個々の母音の音価についての補足は必要としても)正しい発音ができることになる。

*ちなみにこの例自体は新しいものでも何でもなく、Yamagata & Shizuka (2015)で提唱された「イヌ・ネコメソッド」を用いたものです。参考: Kyle's Kingdom(静先生ブログ)

英語のアクセントもまずは考えて/教えてみるという風に、(再)認識しておくと良いのではないだろうか。

★Here is the Path to Wonderland☆

ガリレオの授業を受けたことがあれば一度は言われるセリフ:
「もっと落差をつけて!」・「もっと振れ幅を大きく!」
…要するに、このことですな。

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