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「英会話なんて、ネイティヴの
3~5歳児の子供でもできる簡単なもの」

母語獲得をナメるんじゃねぇ!

ガリレオが、それこそ3~5歳の可愛い子供だった頃、ドラエもんの漫画の一コマで、どうにも腑に落ちないものがあった:

ドラ霧がでてきたよ。」
のび「ちがうよ、霧がでたんだよ!」

今となっては、霧のでた様子が graduallyではなく suddenlyなのだ…ということを強調する意図だと理解できるが、当時はのび太くんがどうして「!」までつけて「ちがうよ」と言っているのかわからず、数年にわたって不思議な会話と思っていた。

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冒頭に挙げたような、「英会話なんて、ネイティヴの3~5歳児の子供でもできる簡単なもの」→「だから文法など難しく考えなくて良い・小さな子供が話すような文構造、語彙で文を組み立てて『コミュニケーション』すれば通じる」…などという愚論・暴論を弄する輩というのは、残念ながら相変わらず絶えることがない。

しかし、上の anecdoteからも示唆される通り、子供の母語獲得も決して「簡単に」行われているわけではない。

確かにその大半は無意識のうちに行われ、気がつけば身についているものだから、外国語学習のような苦労を実感することは少ないのは確かである。だが、3~5年の歳月をずっと母語環境 (= 獲得すべき言語が常に周囲で話されており、自身の生存のためにその言語を身につけることが不可欠な状態) で過ごし、その中で周囲の人たちの会話や、マンガ・テレビなどのやりとりを分析・学習することを経て、やっと身につけている能力なのである。

ましてや、ある程度の年齢に達してからの外国語学習では、特殊な場合を除いて、目標言語が四六時中まわりで使われている環境ではなく、無意識のうちに言語獲得が行われるということもない。それを補完するのが意識的な文法学習であり、それを抜きにして言語の習得は望めない。

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ネイティヴの子供の「母語獲得」と、大人になってからの「外国語学習」を、同じ土俵にあげて比べること自体が、本来はありえないほどの幼稚な理屈である。

それこそ、3~5歳くらいの子供を観察していると、こちらが驚く程に周囲の会話をよく観察しているし、試行錯誤しながら自分でも使ってみようとする姿に出会う。

更に、どうしてもまだ使いこなせる語彙や表現形式が少ない中を駆使して、自分の思いをなんとか言語化して伝えようとする努力を絶えず行なっていることも見えてくる。

「英会話なんて、子供でもできる簡単なもの」…などと言っている連中の頭の中身の方が、子供たちよりもよっぽど簡単でスカスカなのではないかと思えてならない。


#ガリレオ流英語学習論

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