誤解を恐れずに言えば、5文型やSVOCというのは、それ自体がさして重要なものではない。少なくとも、文型や英文の構造が把握できるということは、英語学習の「目的」などではありえなく、むしろ英文法に則った英文を理解・産出できるようになるための「補助輪」に過ぎない。
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それでも、先日の TOEIC 500点講座の際、生徒がまだ主語や補語といった文法用語とS, Cといった記号の対応関係を充分に習熟しておらず、それゆえにいちいち主語だの補語だのという日本語でメモを取ろうとしていたため、「記号で書くのに慣れろ!」と注意を促した。
これは何も、Subject, Complementなどという英語の用語をアリガタがるつもりでもなく、単純にアルファベット1文字の方が格段に画数が少ないから。1秒もかけずにSだのCだの書き終えてくれた方が、授業の密度を少しでも濃くすることができる。その意味では、主語なら「シ」・補語なら「ホ」と書いた方がまだマシと言えよう。
但しもっとも、世の中の英語教師・教材は SVOCという用語を共通言語として話を進めている現実がある以上は、やはり学習者がそれに習熟していく姿勢を怠ってはならない。自動車免許を取りに行くのに、「アクセル」と「ブレーキ」という専門用語であるとか、ギアのP, R, N, D, Lの区別がつかなければ大事故になってしまう。
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授業でたくさんメモを取ったら妙に「勉強した」ような気になるかもしれないが、それは錯覚である。紙にものを書き付けている時間というのは、突き詰めれば無意味なものであり、それよりも頭にどれだけのものを残せるか、である。(よって理想的には、生徒がメモをとる時間を限りなくゼロに近づけ、頭と口を動かし続ける授業を構築したいと考えている。)
#ガリレオ流英語学習論