Sygnite Tokyo株式会社 Newslette Archive
こちらは、これまで配信されたニュースレターを閲覧できるアーカイブページです。 ニュースレターは月に1本程度無料配信しております。 配信をご希望の方は、文末の「ニュースレターに登録」よりお申し込みください。
メタバースにおける権利について -2 (Mar 2023)
皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。       気温も緩み、一気に春めいてきた関東の桜開花時期は、今年は3月20日頃とのこと です。私が幼かった頃より1か月ほど早い開花です。   初々しくランドセルを背負って桜の木の下で写真撮影、というビジュアルは、今でも どこかしらで使われている気がしますが、今の子供たちは、少し不思議に思ったり しないのでしょうか。 今後、さらなる温暖化によって2月に満開になろうとも、新しいことの始まる4月と桜の 組み合わせは、日本人のDNAに刻まれている変わらぬ風景なのかもしれません。     さて、前回は「メタバースにおける商品の権利」についてお送りしましたが、今回は 「建物の権利」と「アバター」について考えてみます。   まず建物ですが、空間の再現というのは結構始まっているのですね。   身近なところで調べてみたら、私の古巣である伊勢丹が展開している、スマートフォン向け仮想都市空間サービス「REV WORLDS」仮想伊勢丹新宿店や、弊社所在地の渋谷区では、渋

メタバースにおける権利について (Feb 2023)
    皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。     私事ではありますが、デジタル音痴です。   お恥ずかしながら、 「パソコンが動かなくなりました。」 「お使いの環境を教えて下さい。」 「1LDKです。」という会話にシンパシーを感じるレベルです。   しかし、そんな私も気が付けばNewsletterの配信、電子契約への移行、オンラインでプレゼンや名刺交換という、デジタルウェーブのただなかにおります。 日々行われる機能アップデートに対し「便利!」よりは「厄介~(泣)」と感じる日が来るのでは!と慄きつつ、ふと、映画などで頻繁に描かれる「機械に支配された世界」とは、「ある日突然機械が意思を持つほどに進化し、制御できなくなった世界」ではなく、「自分の知識、興味が新しい技術に追いつかなくなった世界」ということなのでは?と思い当たり、今まで観たいくつかのSFを、脳内でそっとホラーカテゴリーに移し直しました。   今回はそんな私が「メタバースにおける権利」について、思ったことをメモ的に残しておこうという、ち

許可必要、不要? 悩ましい狭間について (Nov 2022)
  皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。     前回取り上げた表現についてのテーマは過去一の反響でした。 おそらく現場はモンモン、ドキドキ、ハラハラと思いつく限りのオノマトペをお供に、これらの企画を立案されていたのだろうなと推察されましたので、今回は少し角度と深度を変えて、表現手法の理解を深めていこうという趣旨でお送りします。     さて前回の問いは、これらの表現手法を用いた場合「元ネタの許諾は必要か?」であり、 答えは「正しい匙加減であれば問題ない」(が、問い合わせのほとんどは「危険ゾーン」)     として、心持ち勇気づける方向で結びました。   しかし、ただでさえ勇気のある方々をさらに勇気づけ、慎重派の方々においては、「そうは言われても「危険ゾーン」がほとんどなんでしょ」というところで終わっていやしないか、という思いもあり、宗旨替えとまではいかずとも、これを機に向こう側の世界もちょっと覗いてみませんか?という思いを込めて、もう少し深掘りしていきたいと思います。  

一体、それってなんだ? ~モチーフ、オマージュ、インスパイア、トレース~ (Sep 2022)
  皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。     突然ですが、秋は考察に向いている季節です。 外に向きがちだった気持ちも、肌寒さに身が縮むのと呼応するように徐々に内へと向かい、俄然、美術館に足を運ぶ頻度も高くなってきます。 私事ですが、東京都現代美術館内にある「100本のスプーン」というカフェがお気に入りです。(アートちゃうやん)   さて、そんなアンニュイモードな今日は、ある言葉達について考えてみようと思います。     芸術分野になじみの深い 「モチーフ」「 オマージュ」「インスパイア」「トレース」です。     これらは広告制作においても「果敢に行うか」「秘めやかに行うか」は別として、人気のある企画タイプの一つではないでしょうか。 廃れない理由はいろいろとあると思いますが、やはり「元ネタが有名であること」は大きな要素だと思われます。   さて、そこで皆さんが気になるのは「元ネタ」の許可は必要か否か、ですよね。   その検討に入る前に、これらの言葉の

広告成果物の著作権は誰が持つのか ~契約書の重要性~ (Aug 2022)
  皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。     地球温暖化をダイレクトに感じるこの季節、お変わりありませんか。 ちょっと炎天下を歩くと店内に入るときの体温検問にビクビクしてしまいがちです。 数年後は真夏の大工さん仕様、「服に扇風機が仕込まれた服」がスタンダードになっても おかしくないですね。イメージは『ONE PIECE』の「天竜人」です。   さて、そんな、頭に陽炎が生じそうな季節に契約書とか聞きたくないですけど、という ご意見はごもっともなので、本日は冷房下にいらっしゃる方のみを対象といたします(笑)。       制作会社の方から、そこそこの頻度で「広告の著作権は誰が持つのでしょうか。」 または、「自分たちが作ったキャラクターは自由に使えるのでしょうか。」という質問を受けます。今日はその点について書いてみることにします。   まず、すべての広告が著作権で守られるのか、という点もありますが、そのあたりから書くと安眠効果が発動しそうなので本日は割愛し、著作物である前提で進めていきま

肖像権:その判断基準について (Jun 2022)
  皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。       暑い日々が続きます。 電力供給が不安定と聞けば、ちょっとクーラーつけずにやってみようかな、とも思ってみたりするのですが、湿度がいけません。 皆様も持続可能な範囲でECOを。   さて、前回は「肖像権のあれこれ」ということで、幕の内弁当的に書いてみましたが、 本日は制作会社さん泣かせの「一般人の肖像権」についてフォーカスしてみたいと思い ます。     まずは、さらっと復習。       肖像権は人格的な保護が目的の「プライバシー権」と、財産的な保護を目的とした「パブリシティ権」の2つの側面があり、プライバシー権は全員が持つ権利です、というお話をしました。よって、映り込む市井の方々についてはプライバシーに配慮する必要があるのだというところから始めたいと思います。   まあ、言うのは簡単なんですが、では、どんな場合プライバシーを侵害していることになるのかを現場だけで判断しなくちゃならないとなれば、それは重荷

肖像権のあれこれ。 (May 2022)
      皆様、こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。   ようやく初夏を感じる日が増えてきました。 新入社員でもなければ、人事異動も関係ないものの、五月病(コロナ以外の病の存在感が薄れており、なんだか長閑な印象がありますが)を誘発しそうな天候が続いていましたが、元気を出してまいりましょう!     さて、本日は謎に包まれた「肖像権」について。   まず、何が謎なのかと言いますと日本には「肖像権」という名称の法律は無い、というところから始めたいと思います。   「え?」ですよね。私も意外に思いました。   「じゃあ、法的な根拠は無いから、そこまでシビアにならなくてもいいのか?」と 短絡的に結論を求めたこともあります(遠い目)   しかし、それは逆にいろいろな角度からクレームが起こり得る余地があるということなのだと知るのでした。   広告業界におけるリスク判断は、「法的な視点」と「実務的な視点」のどちらが欠けてもよろしくないというお話は過去のNewsletterでも触れたことがありま

これからのバーチャルプロダクション ~最適な背景素材について~ (Apr 2022)
      こんにちは!Sygnite Tokyoのアランです。     いよいよゴールデンウィークですね。 特に予定は入れていないものの、3年ぶりに行動制限の無いゴールデンウィークというだけで嬉しい気持ちになります。     さて、今回のニュースレターでは、権利クリアランスやキャスティングのサービスとは別に、1年ほど前からSygniteが日本での代理店となっているMAGROUND(www.maground.com)についてお話したいと思います。     MAGROUNDは、世界中の街並みや風景等の背景素材に特化したドイツのフォトエージェンシーです。既にご使用いただいている方には素材のクオリティや特異性からリピーターが多くいらっしゃいますが、コロナ禍により海外での撮影が依然容易ではないなどの環境的要因も関係しているのかもしれません。   MAGROUNDの特徴は、通常の2Dの背景画像のみならず、その画像に付帯した「360º HDR Dome」というタイプの画像も提供できる点で、この素材は一般のフォトエージェ

海外との交渉における留意点 (Mar 2022)
こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。      円相場が6年ぶりに下落し、対米ドルは120円代に突入しました。 ガソリンも近年見たことのない金額で目が飛び出てしまいます。 輸出入に関係するお仕事の方たちは、とりわけ状況の不安定さをダイレクトに 感じておられると思います。 かくいうSygniteも海外との仕事が少なくありません。   相場がどうあれ、ビジネスは止まらないとするならば、より良い交渉をすることを 心がけて、相場以上のダメージを負わないようにしたいものです。     さて、今日は海外とのライセンス取引において、あまり知られていない点や不利な交渉にならないようにする取り組みについてお伝えしていきたいと思います。     「海外とのやり取りは、すべてが交渉だ」というのはよく聞くことだと思いますが、 思い浮かべるシチュエーションは「価格交渉」や「企画交渉」というようなピンポイントのステージについてではないでしょうか。   実際のところは「そこに結び付いちゃう?」ということが多く、「全編交渉

「映り込み」とは (Mar 2022)
 こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。    春めきとセットの花粉症、そしてウクライナ情勢に涙する日々です。 不穏な世の中ではありますが、皆に等しく心の春が訪れますように。       さて、前回は「どんな建物が」「どういう理由で」許諾が必要になってくるのか, というお話を、実務上のリスクヘッジと併せお伝えしましたが、今回は逆に「どういう時に許諾は不要なのか」ということを、法的側面からお話ししてみたいと思います。     テーマは「写り込み」です。     「写り込み」は割と手軽にすがりたくなる<著作権に抵触しない例外規定>ですが、 ここできちんと該当要因を確認してみたいと思います。   ① 分離することが困難であるため、付随して対象となる著作物であること。 ② 軽微な構成部分であること。 ③ 著作権者の利益を不当に害さないこと。     一つ有名な裁判事例を。 「雪月花事件」と言います。   「照明器具のカタログに掲載されたモデルハウスの和室」という

写真や動画素材を広告に使用する際の留意点 について (Jan 2022)
こんにちは! Sygnite Tokyoの小林です。              ある程度大人の年齢に達すると、時は濁流のような速さに感じられるというのは周知の ことですが、今の私にとって、それはまるで「地面を制御できずに直滑降しているスノーボーダー」のような感覚です。 もう少し雪のにおいを感じ、風に乗り、風景に溶け込むように滑ることが出来たら、 それこそがスノーボードの、いや人生の醍醐味なのではなかろうか、と。 今一度呼吸を整え、板をはめ直し、リフトに乗るところから始めてみよう。 そんな風に思っています。   本年もどうぞよろしくお願い申し上げます! (年始のご挨拶の遅れも、時との一体感が損なわれていたからです。すみません。)       さて、今年の1本目は、よくあるお問い合わせの一つ「建物の権利」についてです。 私がこの業界に入って最初に知ったオモシロ知識は「ライトアップしたエッフェル塔は 許可がいる」ということでした。これは正確には建物の権利ではなく、照明デザイナーの権利が関わってくるからなのですが、これを機にムクムクと知識欲が高

著作者人格権ってなんだっけ? (Dec 2021)
著作権の保護期間が満了している作品を広告に使用する際の留意点 著作権保護期間は満了しているけれど! ~広告制作における盲点~ 皆様、こんにちは! いつも読んでいただき、ありがとうございます。 少しでもお役に立てればと願いつつ、今年最後のNewsletterをお届けします。   さて、広告に携わる我々は著作権についてはさすがに気をつけていて、そりゃあ、戦時加算だ、保護期間が延長したのか?いつからだ、のようなことはあるとしても、まあまあ、どうにか対処してこれているのではないでしょうか。   そこで今日は割とこぼれがちな「著作者人格権」にフォーカスしたいと思います。 おそらく、名誉を侵害したりする表現方法だとNGなんじゃないかな、ということは 検討がつけやすい名前の権利ですが、実はそれ以外にもあるのです。       ■公表権= 著作物を公表するのかしないのか、また公表する場合、いつ、どのような方法で公表するのかを決定する権利。   ■氏名表示権= 著作物の公表に際し、著作者の名を表示する

スポーツ選手の既存素材を使用した企画について (Nov 2021)
スポーツ選手の既存素材 ~選定時に把握しておきたい6つのポイント~     こんにちは!本号で初めてニューズレターを担当する事になりました、アランです。   今回は、ここ数年問い合わせが増えているスポーツ選手の既存素材を使用した企画の権利クリアランスについてお話したいと思います。 今年は紆余曲折を経て、東京オリンピック・パラリンピック大会が行われましたが、個人的にはスケートボードでの若い世代の活躍や、車椅子バスケの大健闘等で涙腺がやられっぱなしの夏でした。     「既存素材の使用」と一口で言っても、許諾を得るべき範囲は主要選手の肖像権以外にも所属チーム、リーグ、大会、競技連盟(オリ・パラの場合はオリ・パラ委員会)、実況者の声、そして素材に映り込んでいる主要選手以外の人物等、素材の内容によって多岐にわたります。 一見複雑に思えますが、素材を一つ一つ精査して行く事で筋道が見えて来ます。     今回のニューズレターでは、素材選びに役立つポイントを幾つかご紹介したいと思います。 理解をより深めていただく為に、

広告での映画素材の使用について (Oct 2021)
―パワーのある映像素材を使って、広告メッセージを効果的に伝えたい― 「映像のクリアランス」について     プレゼンで提案した有名な映画やドラマのワンシーンを使った企画の受けが良かった! さて、その時皆さんは何を思いますか?   仕上がりのインパクトを想像して、ワクワク!でしょうか。 「高いのかな?」「スケジュールは間に合うのかな?」あたりでしょうか。 権利処理の実務にあたる方に至っては、未開の地に足を踏み入れる位の心持の方もいらっしゃるかもしれません。     「未開の地」とくれば、やはり「水先案内人」がいた方が何かと安心です。   案内人は、道中の危険地帯や搔い潜るべきポイントを加味しながら、目的地にたどり着けるようプランを練るところから始めます。 思い返せば遠足にすら「遠足のしおり」がありました。     さて、映像は複数の権利者が絡んだコンテンツです。 映像の権利元の許可だけ取ればいいんだよね、という方は今や、少数派かと思いますが、俳優、音楽あたりはまだしも、監督組合、脚本家組合、全米映

アインシュタインとチャップリン (Aug 2021)
10歳違いの2人の天才―2021年、2つのアニバーサリー 今回は同時代を生きた2人の天才について。 弊社が広告使用の管理窓口をしている肖像の中でも、売れっ子さんの2人です。     Charlie Chaplin™© Bubbles Incorporated S.A.                                                      時は1931年3月、アインシュタインの誕生日。 その日、偉大な二人の対面に居合わせた人物が、チャップリンに語ったという洞察力に富んだ一言をご紹介。     「あなたが人気なのは大衆があなたを理解しているからです。それに対して博士が人気なのは大衆が彼

MAGROUND業務提携のお知らせ (May 2021)
背景素材に特化したストックフォトエージェンシーの最大手、 独・MAGROUNDと日本における独占的な契約を締結し、画像提供を開始 MAGROUNDは、2007年「Behind Your Product」をモットーに設立され、 自動車メーカーをはじめ、幅広い業種の広告制作で使用されています。 一般的な背景画像だけではなく、

ロイヤリティフリー素材の注意点について (Apr 2021)
小林真弓 Representative Director ぼちぼちFESが気になる時期ですが、開催決定のFESはどんな感じで開催するのか気になる。Drive -in LIVEというのもありました。拍手代わりにパッシング したりして、面白かったです。 佐山アラン和裕 Director フジロックは昨年のチケットが今年も有効のようですが、そもそ




Sygnite Tokyo株式会社
東京都渋谷区猿楽町9-5
秀和代官山レジデンス116
Sygnite Website
ニュースレターに登録