ニュースレター アーカイブ
 ニュースレター アーカイブ

こちらは NPO法人京田辺シュタイナー学校のニュースレターアーカイブです。
これまで配信されたニュースレターを閲覧できます。
定期購読をご希望の方はこちらからご登録ください。


【2024/4/19】自由への教育vol.41 『入学式を支える5年生』 (Apr 2024)
春といえば入学式。本校で入学式を心待ちにしているのは、入学家庭だけではありません。子どもたち、保護者みんなが新しく迎える仲間との出会いを楽しみに準備をしています 自由への教育 Vol.41  2024/4/19 『入学式を支える5年生』   春といえば入学式。本校で入学式を心待ちにしているのは、入学家庭だけではありません。子どもたち、保護者みんなが新しく迎える仲間との出会いを楽しみに準備をしています。   準備の中心になるのが5年生とその保護者です。5年生は新1年生のために一人ひとりの名前を大きく美しく画用紙に書き、春の花いっぱいの花冠をつくります。式で歌う歌の練習もしますが、学年によっては作詞も子どもたちがしています。「ぼくらがつくった歌やねんで!作詞、ぼくら!」と息子も誇らしげでした。   おめでとう おめでとう おめでとう 学校へようこそ うれしいよ いっしょにあそぼうよ たのしいよ   おめでとう おめでとう おめでとう この日をまって

【2024/3/1】自由への教育vol.40 『1~8年で学ぶもの』 (Mar 2024)
シュタイナー学校は12年間一貫教育を行っています。8年生で一度卒業という区切りを迎え、9年生から12年生が高等部となっています。1~12年というこの長い期間、ク 自由への教育 Vol.40  2024/3/1 『1~8年で学ぶもの』   シュタイナー学校は12年間一貫教育を行っています。8年生で一度卒業という区切りを迎え、9年生から12年生が高等部となっています。1~12年というこの長い期間、クラス替えもなく同じメンバーで過ごします。担任の教員は1~8年生まで変わりません。   たまに、子ども時代をずっと同じメンバーで過ごすなんて人間関係作りに支障がないの?なんて聞かれるので人間関係について振り返ってみました。   昨年度、8年の卒業を迎えた息子はお世辞にもお利口さんの部類に入る子どもではありません。チャキチャキの姉と始末屋気質の兄からの手助けが仇になり何をするにも受動的で、そのくせ文句だけは一人前。揉め事には逃げる、話し合いや掃除は適当。学校での彼の行

【2024/2】自由への教育vol.39 『卒業プロジェクトの光と闇』 (Feb 2024)
卒業プロジェクトとは シュタイナー学校の12年生は学びの集大成として 1年以上の期間をかけて表現や作品としてまとめ、 大勢の観客の前でプレゼンテーションしま 自由への教育 Vol.39  2024/2/20 『卒業プロジェクトの光と闇』   卒業プロジェクトとは シュタイナー学校の12年生は学びの集大成として、1年以上の期間をかけて表現や作品としてまとめ、大勢の観客の前でプレゼンテーションします。 研究・探求や制作・技術の習得など個々の興味に合わせ試行錯誤しつつ、卒業前まで自分自身に問いかけ・向き合います。 この卒業プロジェクトのテーマを考える期間、彼らは、何が好きだったか、何が得意だったのか、苦手なものは何か、幼いころからの日々を振り返り、自分の中に何があるのかを見つめてテーマを決めます。 多くの子どもたちは好きなものや目標を掴み、喜びを持ちプロジェクトに邁進します。 その中で何人かはテーマ選びに苦労し、疑問を抱き悩みつつプロジェクトに向かう事もあります。

【2024/1/5】自由への教育vol.38 『あたらしい年の始まり』 (Jan 2024)
年が明けて最初の登校日。全校生徒で近くにある酒屋神社へ初詣に行くのが毎年恒例の行事です。 1年生と12年生はペアになって歩くのがお決まりで、手をつないで神社ま 自由への教育 Vol.38  2024/1/5 『あたらしい年の始まり』   年が明けて最初の登校日。全校生徒で近くにある酒屋神社へ初詣に行くのが毎年恒例の行事です。  1年生と12年生はペアになって歩くのがお決まりで、手をつないで神社までの道のりを歩きます。    昨年1年生だった娘は、12年生のお兄さんとペアになりました。  神社までの往復を「お互いのことを話してゲラゲラ笑ったよ。とっても楽しかった!」と、話す娘。どうやら12年生が盛り上げてくれたようです。「学校に帰ってから七草粥を食べて、いい日だった~」と笑顔で満足そう。楽しい一日だったようです。    1年生と12年生。  教室が隣同士ということもあり、とても仲良し。12年生はおんぶをして

【2023/12/1】自由への教育vol.37 『一年を締めくくる生誕劇』 (Dec 2023)
クリスマスシーズンに世界中のシュタイナー学校で上演される『生誕劇』は、オーストリアのオーバールーファー村に中世から伝わり楽しまれていた伝統的なキリスト生誕劇です 自由への教育 Vol.37  2023/12/1 『一年を締めくくる生誕劇』   クリスマスシーズンに世界中のシュタイナー学校で上演される『生誕劇』は、オーストリアのオーバールーファー村に中世から伝わり楽しまれていた伝統的なキリスト生誕劇(カール・ユリウス・シュレーヤー取材)をルドルフ・シュタイナーが独自の解釈と要素を取り入れ再編集したものです。   この劇は、アダムとエファが、禁断の果実を食べ楽園から追放される『パラダイス劇』、キリストの誕生と羊飼いたちがキリストの誕生を祝福する『生誕劇』、三人の王がキリストの降誕を祝いにその地を訪れる『三賢王劇』の三部作になっています。    京田辺シュタイナー学校では、このうちの二つ、保護者による『パラダイス劇』、教員による『生誕劇』(外部観劇

【2023/11/24】自由への教育vol.36 『魔法がとけるとき』 (Nov 2023)
王子様やお姫様の魔法がとけたら、どうなるの? ロバやカエルに変えられた王子様やお姫様は、お話しのなかで試練を乗り越え、努力や善良な心で本当の姿を取り戻します。 自由への教育 Vol.36  2023/11/24   『魔法がとけるとき』   王子様やお姫様の魔法がとけたら、どうなるの? ロバやカエルに変えられた王子様やお姫様は、お話のなかで試練を乗り越え、努力や善良な心で本当の姿を取り戻します。 「魔法がとけるときは、精神が輝きでるとき」と、一般講座「子どもを育む」のなかで中村真理子講師は語ります。   私たちはみんな、魔法でロバやカエルの姿に変えられ、孤独のなかで自分の本当の姿や輝きを探しているのかもしれません。 先生は、子どもたち一人ひとりにかけられた魔法を毎日の学校生活で一つひとつといていきます。 自信のない子。怒りっぽい子。落ち着きのない子。 シュタイナーの人間観に加えて、一人ひとりの気質や環境、感覚の育ちなどに心を砕き、意識的に子どもたちに働き

【2023/11/03】自由への教育vol.35 正解のない子育ての時間をともに (Nov 2023)
「正解のない子育ての時間を今日も生きてゆく 世界中の勇気ある お母さん、お父さん」 小学3年生の息子の編入学を決めようとしていた時期でした。 自由への教育 Vol.35  2023/11/03   正解のない子育ての時間をともに   「正解のない子育ての時間を今日も生きてゆく 世界中の勇気ある お母さん、お父さん」   小学3年生の息子の編入学を決めようとしていた時期でした。 子どもの人生を大きく変えるかもしれない選択。 その責任の重さに、身体の震えが止まらないこともありました。   入間カイさんの言葉に出会ったのは、そんなころ。 近所のお母さんに勧められて開いた本の最初のページでした。 子育てには正解がない。 だからこそ親も学び、一緒に考え、一緒に育つ。 シュタイナー教育って、正解を教えてくれるものではないんだ。 いっしょに考えていくための指針なんだ、と腑に落ちました。   編入してみると、息子はあっという間にクラスに馴染み、毎日が

【2023/10/06】自由への教育vol.34 私たちに会いに来てください『秋祭り』 (Oct 2023)
今年も間もなく秋祭りが行われます。秋祭りって一体、どんな催しなの?お祭りなの? 自由への教育 Vol.34  2023/10/06 私たちに会いに来てください『秋祭り』   今年も間もなく秋祭りが行われます。 秋祭りって一体、どんな催しなの?お祭りなの? とよく聞かれるのですが、なかなか一言で説明できません。 コロナ禍を経てコロナ前から少しずつ進化しているこの秋祭りは、過去はバザー/にじいろの種という名称だったり、いわばオープンスクールのような、はたまた文化祭のような・・ 一つ言えるとするならば 京田辺シュタイナー学校を丸ごと全部、誰にでも見ていただけるオープンな場、です。 この秋祭りの企画・開催は主に保護者です。 今年度このような催しを開催するかどうか?も含めて、保護者を中心に教員・生徒を巻き込んで話し合いが積み重ねられます。 『この学校を知りたいと思われている方に、秋祭りに来てもらうのだけど楽しんでいただくためには、どうしたら良い? 飲み物は必要だよね、お腹も

【2023/09/01】自由への教育vol.33 『あたたかな学びの場所』 (Sep 2023)
もう何年も前のことになりますが、京田辺シュタイナー学校へ初めて訪れたのは学校見学会がきっかけでした。 ウェブサイトを見てどんな学校か興味津々だった私は、まだその 自由への教育 Vol.33  2023/09/01 『あたたかな学びの場所』   もう何年も前のことになりますが、京田辺シュタイナー学校へ初めて訪れたのは学校見学会がきっかけでした。 ウェブサイトを見てどんな学校か興味津々だった私は、まだその時保育園に通っている娘を連れて参加しました。 どんな雰囲気かこの目で見たいなぁ、学校のことをもっと詳しく知れたらいいなぁ、そんな期待を抱きながら。   晴れたある土曜日、学校に到着すると木造校舎が目に入りました。 校舎に入り、階段を上がるとギュっと木の感触が足に伝わります。廊下には季節のお花が生けてありました。 参加されているのは私たちと同じような親子連れの方、中学生くらいの子どもさんもいて賑わっています。   まず始めに学校の案内の時間。私は1年生教室にて

【2023/08/04】自由への教育vol.32 『星の祭り』 (Aug 2023)
今回はシュタイナー学校で行われる季節の催しをご紹介します。子ども達も私たち保護者も星の祭りが大好きです。星の祭りとは七夕の時期に学内で行われるおまつりで 自由への教育 Vol.32  2023/08/04 『星の祭り』   今回はシュタイナー学校で行われる季節の催しをご紹介します。 子どもたちも私たち保護者も星の祭りが大好きです。 星の祭りとは七夕の時期に学内で行われるおまつりで、ここで子どもたちは授業で習った歌や楽器を披露します。   会場は、学校。 思い思いの柄の浴衣や甚平を身に着けた子どもたちが、保護者が切り出してきた何本もの竹に、願い事を書いた短冊を飾ります。 折り紙で作られた色とりどりの飾りと短冊がヒラヒラと揺れ、木造校舎に高く大きな竹が立ち上がると、そこかしこから『おぉ』と声が漏れます。   いったん教室に戻った子どもたちや教員は、あたりがほんのり薄暗くなってきた頃また校庭に集まり、おまつりが始まります。   まずは、器楽部が登場。

【2023/07/07】自由への教育vol.31 『躍動する美しさ』 (Jul 2023)
シュタイナー学校では、子どもが一日を過ごすときのリズムを大切にしていますが、それは一年のめぐりにおいても同様です。中でも四季を感じさせる行事や祝祭を体験すること 自由への教育 Vol.31  2023/07/07 『躍動する美しさ』   シュタイナー学校では、子どもが一日を過ごすときのリズムを大切にしていますが、それは一年のめぐりにおいても同様です。中でも四季を感じさせる行事や祝祭を体験することは、自然のリズム、宇宙のリズムの中で生きていくことでもあり、子どもたち、先生たち、親たちで力を合わせて丁寧に準備し、大事にその日を迎えます。   5月の末には「花と緑の祭り」がありました。この時期は、二十四節気では小満(しょうまん)と呼ばれています。草木をはじめ万物が天地にあふれることを意味しています。   さて、「花と緑の祭り」では4年生による「メイポールダンス」が披露されました。 「メイポール」とは花やリボンで飾られた柱のことで、子どもたちは音楽に合わせ、その

【2023/06/22】自由への教育vol.30 12年生卒業演劇『ハーメルンの死の舞踏』 (Jun 2023)
本校の12年生(高校3年生)は、学びの集大成としてクラス全員で演劇に取り組みます。今年は、ミヒャエル・エンデがドイツの民話に着想を得て描いたこの作品を選びました 自由への教育 Vol.30  2023/06/22 12年生卒業演劇『ハーメルンの死の舞踏』   本校の12年生(高校3年生)は、学びの集大成としてクラス全員で演劇に取り組みます。今年は、ミヒャエル・エンデがドイツの民話に着想を得て描いたこの作品を選びました。エンデが伝えたかったことは何なのか、演技、演出、大小道具、衣装、音響、一つひとつアイディアを形にする過程で話し合い、考え、形にしています。 観てくださった皆さまに楽しんでいただけるよう21人で取り組んでいます。ぜひ足をお運びください。 『ハーメルンの死の舞踏』   ミヒャエル・エンデ作   佐藤真理子/子安美知子訳 日時:第1回 6月30日(金)18:00    第2回 7月1日(土)14:30    第3回 7月2日(日)14:30     (開場は各30

【2023/06/16】自由への教育vol.29『高等部美術活動の目標』 (Jun 2023)
高等部美術では以下のことを目標として進めています。 「両極性の意識化と、そのバランス感覚を目覚めさせる。」 自由への教育 Vol.29  2023/06/16 『高等部美術活動の目標』   高等部美術では以下のことを目標として進めています。 「両極性の意識化と、そのバランス感覚を目覚めさせる。」 「表面的、物質的なものの中に宿る内的、本質的なものを感じ取る力を育てる。」    12年生ではこれまで描いてきた自分の作品を観察しながら、どの様な「新しい表現」に挑戦するのか見極め、それを次の制作目標として掲げます。 絵には「自分らしさ」が常に表れますが、それを世界(画用紙)の中で輝かせるためには、そこに新しい風を吹き込むことが必要です。躍動感あふれるパワフルな要素が「美しい」と感じるとき、パワフルでない要素が世界(画用紙)のどこかに存在しているものです。自分らしさは自分の宝です。だからこそそれを世界の中でどのように活かしていくかという意識が大事になってくるでし

【2023/05/26】自由への教育vol.28『「エポックノート展」を開催します』 (May 2023)
私たちの学校の教育内容への理解を深めていただく「エポックノート展」は今年で20回目です。 今回のテーマは「うごきからかたちへ −かたちの中の美と真理−」。 自由への教育 Vol.28  2023/05/26 『「エポックノート展」を開催します 』   私たちの学校の教育内容への理解を深めていただく「エポックノート展」は今年で20回目です。 今回のテーマは「うごきからかたちへ −かたちの中の美と真理−」。 私たちの周りの世界にはさまざまな「かたち」が存在しています。 長い年月を経て形づくられる岩、いろいろな木々の葉、流れる雲、寄せては返す波、燃えさかる炎……。  私たちが見る自然界の「かたち」は「うごき」のプロセスの結果として形成されたものです。 成長する子どもたちの内にある力を育てる幾何学の学び。 そして、その学びはそれにとどまらず、手仕事や美術や工芸など他の教科にも広がります。 子どもたちの日々の学びを綴ったノート、個人のプロジェクト作品などを通してシュタイナー学校における

【2023/05/12】自由への教育vol.27『心をひとつに』 (May 2023)
「はいっ!!」 朝から威勢の良い元気な声がグラウンドに響きます。3年生が春からずっと楽しみにしていた家づくりです。 自由への教育 Vol.27  2023/05/12 『心をひとつに』 ~クラスだより3年生~   「はいっ!!」  朝から威勢の良い元気な声がグラウンドに響きます。3年生が春からずっと楽しみにしていた家づくりです。親方の一つ一つの指示を、全身を耳にして聴きます。「家はみんなの心がひとつになって初めて建つ」。一番初めに親方に言われた言葉です。誰かが違うことをしていたり、指示を聞き逃したりしてしまったら、それが怪我につながる。現場がストップする。そんな新鮮な緊張感の中、子どもたちは精いっぱいの声を出し、力を出し、木材を運び、加工します。    そうして何日もかけて自分たちが切り、加工した柱が初めて一本立った日、それを見上げた子が、「ほんまに家って建てれるんやなぁ」とポツリ。「ほんまやなぁ~」と他の子たちもしみじみ。それまでは材料として見ていた木材が、子どもたちの

【2023/04/21】自由への教育vol.26『シュタイナー学校との出会い』 (Apr 2023)
娘が京田辺シュタイナー学校に入学して一年が経ちました。私とシュタイナー学校との出会いは、数年前、娘が年少の頃。 自由への教育 Vol.26  2023/04/21 『シュタイナー学校との出会い』   娘が京田辺シュタイナー学校に入学して一年が経ちました。  私とシュタイナー学校との出会いは、数年前、娘が年少の頃。 公立の小学校以外も検討したいな、どんな学校が合うかなと漠然と考えていた時でした。娘はものづくりが好きな女の子。また、一人っ子で少し繊細なところがあり、温かい雰囲気の中でのびのび学ぶことができればなぁと考えていました。   奈良公園のアースデイというイベントに出かけた時のことです。 偶然、京田辺シュタイナー学校のブースを見つけました。 こんな学校あるんだ、知らなかった。 ブースでは直接お話ができそうでしたが、学校のパンフレットだけもらい、家に帰ってすぐさまウェブサイトを見てみることに。   木造校舎や美しい黒板絵、娘の好きそうな手仕事の授業もある。 な

【2023/3/17】自由への教育vol.25『どうしたらこんな先生になれるのかな』 (Mar 2023)
「シュタイナー学校の先生ってどんな先生?」って皆さん思いませんか? 自由への教育 Vol.25 2023/03/17   『どうしたらこんな先生になれるのかな』   「シュタイナー学校の先生ってどんな先生?」って皆さん思いませんか?   2021年秋から始まった「京田辺シュタイナー学校 教員養成講座」では第一期生約30人が学んでいます。期間は2年間。教員養成講座専属の教員がクラス担任のように受講生それぞれに伴走し、20年以上の経験を惜しみなく伝えています。   第一期生には、学校や幼稚園の先生、大学生や子育て中の方など、さまざまな方がいらっしゃいます。 まずは受講生の皆さんに、受講しての感想を聞いてみましょう。   『受講生の感想』----------------------------- ・子育てをきっかけとして、子どものためにシュタイナー思想や教育について学びを深めてきましたが、学んでいくうちに、自分自身の生き方を問われていることに気づきま

【2023/2/25】自由への教育vol.24『カウントダウン』 (Feb 2023)
3学期は、卒業プロジェクト三昧の日々です。 自由への教育 Vol.24 2023/02/25 『カウントダウン』 〜クラスだより12年生〜   3学期は、卒業プロジェクト三昧の日々です。一部の授業を除いてほとんどが卒業プロジェクトの時間になります。先日1月31日に全員が無事に作品を提出しました。パフォーマンスも含め全ての作品が受理されたという報告が担当からあると、クラスに歓声と拍手と笑顔があふれました。   提出前のいつの頃からか、朝のホームルームで「提出まであと〇日ですね」というと、「いよっ」と掛け声がかかり拍手をするのがその日の気持ちを上げる儀式(?)のようになっていました。本当に小さなことですが、このクラスの「皆で頑張ろうな」という明るさと優しさがこもっているなと感じる一時です。そういえば、卒業演劇の直前もそうでした。   一山超えて、今は週末(2月8日)の「ジャーナル」提出に向かって皆、筆を進めているところです。「ジャーナル」では、卒業プロジェクトの1年半の振り返

【2023/1/4】自由への教育vol.23『正しいものは美しい』 (Jan 2023)
「わあ、きれい!!」 一人の女の子が思わず声に出して言いました。九九を唱えながら、 糸かけをしていたときのことです。 自由への教育 Vol.23  2023/1/4 『正しいものは美しい』   〜クラスだより2年生〜   「わあ、きれい!!」一人の女の子が思わず声に出して言いました。 九九を唱えながら、糸かけをしていたときのことです。木の板に円を描きその円周上に10個のくぎを均等に打って、それぞれに0から9までの数字を示し、九九の、例えば2の段の答えのうち、一の位の数を順に糸でつないでいく(2の段で言えば、2,4,6,8,0,2,4,6,8,0というように)と、様々な形が浮かび上がってきます。それは、星の形や五角形など。掛け算という秩序をもった数の列が形として浮かび上がるとき、その形の美しさに子どもたちは心をときめかせ、数のふしぎの世界に触れるのです。 子どもたちは、その後、1の段や4の段、3の段など様々な段を唱えながら、夢中になって糸かけをします。「あれ、

【2022/12/02】自由への教育vol.22『内に閉じながら外に開く建築』 (Dec 2022)
校舎を建築するにあたっての最大のテーマのひとつが内と外との関係でした。 自由への教育 Vol.22  2022/12/2   『内に閉じながら外に開く建築』 校舎を建築するにあたっての最大のテーマのひとつが内と外との関係でした。ヨーロッパの建築は一般的に小さな開口部しか持ちません。自然を克服する必然性と思想がベースにあるからです。自然との間口を少なくし、自然と戦いながら自らの内面(内部空間)を作り上げる地域性があるといえます。   これに対して自然と人間とが豊かに共存してきた日本の建築の理想は、伝統的にできるかぎり「自然と一体」となることといえます。   一方で、西洋が生み出した「私」という個的な意識は、すでに現代に生きる私達にとって私たちの一部になっています。この矛盾が生む具体的な問題のひとつに、教室を外に開こうとすれば内部での集中が妨げられてしまうことがあります。こうした問題に対して、この校舎では内部と外部との間に中間的な領域を設けることで、いわば

【2022/11/04】自由への教育vol.21『オリンピック』 (Nov 2022)
アーンドランモイ、エーンネッペ、ムーサ!足をリズミカルに踏み鳴らしながら、5年生の息子が異国情緒あふれる詩を暗唱していました。 自由への教育 Vol.21  2022/11/4   『古代ギリシャ人になる』 ἄνδρα μοι ἔννεπε, Μοῦσα! アーンドランモイ、エーンネッペ、ムーサ!   足をリズミカルに踏み鳴らしながら、5年生の息子が異国情緒あふれる詩を暗唱していました。「なに語?」と聞くと、「ギリシャ語なのかな?ホメロスの詩」とのこと。   5年生になった息子は、春に飛鳥時代までの日本史を学び、いまは世界史を学んでいます。世界史の授業は、古代インド、ペルシャ、メソポタミア、エジプトと進み、いまは古代ギリシャ。古代ギリシャに入ってから、すでに4週目になります。   この4週間のあいだ、息子は毎日のように授業の話をしてくれます。 「スパルタ人とアテネ人って、どんなに違ったか知ってる?」 「トロイ戦争って、どうして始まったか知ってる

【2022/10/21】自由への教育vol.20『シュタイナー思想をひもとき、私たちと結びつける講演会を』 (Oct 2022)
娘が本校に通い始めて、10年以上が過ぎました。シュタイナー学校では、人がより善く生きるために最も大切な本質が、どんな時もまごうことなく中心に据えられているようで 自由への教育 Vol.20  2022/10/21   『シュタイナー思想をひもとき、私たちと結びつける講演会を』 娘が本校に通い始めて、10年以上が過ぎました。   シュタイナー学校では、人がより善く生きるために最も大切な本質が、どんな時もまごうことなく中心に据えられているようで、そばで見ていると、そのことが本当に毎日のように伝わってきます。     娘が高等部に上がるころ。 ふと、このような教育が生み出された背景にあるルドルフ・シュタイナーの思想とはどのようなものなのだろうか、という深い関心が生まれてきました。 保護者として関わっていても、実はこのシュタイナー教育の根幹部分には、自ら学ぼうとする意志がなければ触れることはほぼありません。   そこで私は学びを一歩

【2022/9/30】自由への教育vol.19『今年もやりますオープンデイ』 (Sep 2022)
せいやっ!ドーン!せいやっ!ドーン! 青空の下に勇壮な太鼓の音が響きます。 自由への教育 Vol.19  2022/09/30   『今年もやりますオープンデイ』 せいやっ!ドーン!せいやっ!ドーン!   青空の下に勇壮な太鼓の音が響きます。6年生全員による和太鼓で、京田辺シュタイナー学校の秋祭り&バザーは始まります。             秋祭り&バザーは、5年生の娘が幼稚園児だったときから、我が家が心待ちにしている大好きなお祭りでした。なかでも和太鼓は、早起きして駆けつける絶対に見逃せないイベント。静と動がくっきりと分かれ、小学生とは思えない切れのある動きと中心を打ち抜く響きに魅せられて、しばし別世界にたたずんでいる気がしました。             和太鼓が終わると、娘はフェイスペイントにすっ飛んでいったも

【2022/9/9】自由への教育vol.18『高等部としてのこれからの日々』 (Sep 2022)
9月の上旬には、当該学年の保護者の方、教員、高等部4学年の生徒がホールに集まり、11年生による卒業プロジェクトのテーマ発表が行われます。 自由への教育 Vol.18  2022/09/09 ※過去の卒業プロジェクト作品   『高等部としてのこれからの日々』 ~クラスだより9年生~ 9月の上旬には、当該学年の保護者の方、教員、高等部4学年の生徒がホールに集まり、11年生による卒業プロジェクトのテーマ発表が行われます。この9月に9年生も初めてその場に参加しました。話に聞いている卒業プロジェクトの実際の様子を初めて体験する機会です。低学年がお休みの土曜日、いつものように登校してきた9年生は喜んでホールに入り1日発表を聞かせてもらいました。 後日、印象に残った発表や、どんなところが印象に残ったかなど、一人ずつ言う機会を持ちました。その場では、自分も関心があるテーマについての発表が印象に残ったという意見と共に、その人らしさが滲み出る発表を印象的だったと言う生徒が多くいました。「まだ先

【2022/8/30】自由への教育vol.17『いっぱい挑戦 いっぱい失敗』 (Aug 2022)
 10年生は「自らに深く沈潜し、『自分とは何か?』『自分はどのように生きていけばよいか?』など、様々な問いが自らのうちに生まれ始める時期」だと言われています。 自由への教育 Vol.17 2022/08/30 『いっぱい挑戦 いっぱい失敗』  ~クラスだより10年生~    10年生は「自らに深く沈潜し、『自分とは何か?』『自分はどのように生きていけばよいのか?』など、様々な問いが自らの内に生まれ始める時期」だと言われています。GWが明け、私も「もうそろそろクラスの雰囲気が落ち始めるかな」と、ある意味恐れながらも”期待”していたのですが、皆、以前より元気で前向きになっていました・・・。   今年、10年生たちは「色々な事にチャレンジしたい」と口々に言っています。 「生徒会執行部メンバーになる」 「実行委員をやりたい」 「中国語を話せるようになりたい」 「一人旅がしたい」 「外に出ていっていろんな人に出会いたい」・・・。 したいことはそれぞれ異なりますが、

【2022/8/17】自由への教育vol.16『芸術教育の中の建築』 (Aug 2022)
この学校にとってとても大切な原則は子どもの年齢のステージに相応しい教育を与えることです。 自由への教育 Vol.16 2022/08/17 『芸術教育の中の建築』より ~ステージに応じた空間~   この学校にとってとても大切な原則は、子どもの年齢のステージに相応しい教育を与えることです。ですからこの学校に相応しい校舎を設計するにあたって、第一のテーマが其々のステージに相応しい教室空間を考えることでした。その年代の子どもたちにとって本当の意味で居心地の良い空間とは何か?その試みの結果がこの学校の教室群です。 ここでそうした考えの一端を簡単にご紹介しようと思います。   1・2年 子どもたちは先生の周りを取り囲み、世界と私はまだまだ柔らかく一つに結ばれています。そんな子どもたちを淡いバラ色で丸天井のように包み込むことが理想でした。 ご存知の方はもう少ないかもしれませんが、この校舎は当初一方のウイングだけでした。 6つの教室を間仕切りで分けて12教室としていました。現在の長方形の

【2022/7/7】自由への教育vol.15『星の祭りの準備・後片付け』 (Jul 2022)
京田辺シュタイナー学校では、毎年1学期の終わりに星の祭りという行事が行われます。 自由への教育 Vol.15 2022/07/07 『星の祭りの準備・後片付け』 京田辺シュタイナー学校では、毎年1学期の終わりに星の祭りという行事が行われます。 このお祭りは七夕のお祭りで、笹飾りをつけた竹を飾り、たき火を燃やし、歌や笛の演奏をして天に願いを届けようというものです。 この日は、浴衣や甚平を着てくる子どもや先生も多く、お祭りの気分を味わいます。    その星の祭りの準備や後片付けですが、毎年3年生の保護者が中心になって行っています。七夕飾りをつける竹は、長さ8メートルにも及ぶもので、星の祭りの当日に、学校のご近所の方の竹林で採らせていただいています。 採った竹は、父親達が担いで学校まで運び、周りに落ちた竹の葉っぱなどを母親達がほうきで掃いて掃除していきます。 学校に運んだ竹は、子ども達が夕方登校してきて、七夕飾りを付けた後、校舎にたてかけるようにして2階の柱に括り付けます。 2階の屋根よりも高い竹が6

【2022/6/24】自由への教育vol.14『夏期講座』 (Jun 2022)
テクノロジーに支えられた現代社会で、私たちはとても便利な生活を日々送ることができています。 自由への教育 Vol.14 2022/06/24 『夏期講座/大人が体験できるシュタイナー学校』 〜 熱学 〜   テクノロジーに支えられた現代社会で、私たちはとても便利な生活を日々送ることができています。いったいいつ頃からこのような「便利な世の中」ができてきたのでしょうか?   歴史を振り返ると、今から300年ほど前に「大きな変革の時期」があったことがわかります。これが産業革命です。 18世紀のイギリスから始まったこの大きなうねりは、「移動(輸送)」という分野で進化することで急激に世界に広がり、世界中の人々の知恵が交わりあうことを通して、様々な分野でのその後の飛躍的な技術発展につながっていきました。   シュタイナー学校のカリキュラムでは、初等中等部から高等部へと「大きな変革の時期」を迎える9年生の理科において、「移動(輸送)」のエネルギー源としての「熱学」について学ぶことが位置付けられています。

【2022/6/13】自由への教育vol.13『12年卒業演劇』 (Jun 2022)
6月に入り12年生は2回目の演劇エポックが始まっています。 自由への教育 Vol.13 2022/06/13 『12年卒業演劇』 ~わが町~   6月に入り12年生は2回目の演劇エポックが始まっています。 生徒たちは今、「日常を演じる」ことの壁を前に格闘しています。 「おはよう」「やあ」「おやすみ」毎日何気なく当たり前に口にしている言葉に、 その日の気分、声をかける相手への思い… 動作にどれだけ繊細でたくさんの思いがこもっているのか。 演じることを通して気づく日々でもあります。 つい先ほども「朝食」の稽古でした。 今まではパントマイムで雰囲気を出そうとしていましたが、 もっとリアリティのあるパントマイムを目指そうと組まれたものです。 1900年頃のアメリカの朝食はどんなものだったのか、台所は? そこではどのような動きがふさわしいのだろう? 仮の道具を置きながら確認しました。 小さいけれど大切なことを積み重ねながら本番に向けて稽古をしています。     卒業演劇担当 教

【2022/6/1】自由への教育vol.12『メイポールダンス』 (Jun 2022)
4年生になって2か月、例年になく早い梅雨入りの中、5月末に4年生のメイポールダンス披露が行われました。 自由への教育 Vol.12 2022/06/01 『メイポールダンスと4年生のフォルメン』 ~クラスだより4年生~     4年生になって2か月、例年になく早い梅雨入りの中、5月末に4年生のメイポールダンス披露が行われました。本校では、この日を”花と緑の祭”と呼び、草花が太陽に向かってぐんぐんと伸びていく軽やかな、美しい力と動きをダンスで表現し、祝福しています。   4月から担任が変わり、担任との関係性や日々のリズムを新しく作って来た4年生。 最初は、詩を唱えることやメインレッスンの流れ、一つ一つの約束事などお互いの呼吸を合わせていくことにたくさんの力を使っていました。そして、2か月が経ったところでの初めての大きな行事。しかも、予期せぬ出来事により、予定では3週間の練習をするはずが2週間で本番を迎えることになったのです。それ以外にも、当日もいくつかのハプニングがありました

【2022/5/13】自由への教育vol.11『クラスだより1年生』 (May 2022)
登校してくると、子どもたちはまず担任と握手してあいさつします。 自由への教育 Vol.11  2022/05/13 『みんなでつくる、ひとつの円』 ~クラスだより1年生~   登校してくると、子どもたちはまず担任と握手してあいさつします。 朝の鐘が鳴ると、外で遊んでいた子どもも教室に入り、朝の会が始まります。 朝の会の後はリズムの時間。1年生は手をつないで練習室に向かいます。 練習室に着いたら、手をつないだまま、ひとつの円を作ります。 4月、入学したての頃は難しかったのが、5月ごろからきれいな円が出来るようになりました。   「まんまるお月様 さあできた♪」と歌って、ライゲンや遊びを始めます。 「さあ 小人の舟が 海を越えてくよ♪」と歌いながら、2人組で「せっせっせ」のような手合わせ遊びをすると、子どもたちはみんな楽しそう。 飽きずに毎日やっています。   頭にお手玉を乗せて「赤とんぼ~♪」と歌いながら逃げる遊びも大好きで、みんな一生懸命お手玉を乗せて逃げ回りま

【2022/4/8】自由への教育vol.10『クラスだより10年生』 (Apr 2022)
10年生になって二つ目のエポックは、数学の「三角比」でした。 自由への教育 Vol.10  2022/4/8 『三角比 ー地球の大きさ、月までの距離ー』 〜クラスだより10年生〜   10年生になって二つ目のエポックは、数学の「三角比」でした。同じ角度を持つ、つまり相似な三角形の三辺の比が一定であることから、三辺のうち二辺の比をsin𝜃、cos𝜃、tan𝜃で現し、それらを用いて図形の測定などを行う単元です。今回学ぶsin𝜃、cos𝜃、tan𝜃は、2学期に行われる測量のエポックで活躍します。図形だけでなく測量にも使われる三角比。古代ギリシャのヒッパルコスは、これを使って地球の大きさ(円周)を算出しました。その考え方を紹介した後、生徒たちもその考え方に従って計算方法を見つけ出し、地球の大きさを算出しました。その数値は、実際の大きさとの誤差わずか4パーセントという精度を持つものでした。   地球の大きさを算出した古代ギリシャ人たちは、それをもとにして月の大きさ、月までの

【2022/3/5】自由への教育vol.9『12年卒業を迎えて』 (Mar 2022)
1年生の冬だったでしょうか? 自由への教育 Vol.9  2022/03/05 『12年卒業を迎えて』   1年生の冬だったでしょうか? 一緒に登校していたクラスメートの間で、霜柱がブームになったことがありました。 幼少期の体験を交えた先生の話が、とてもおもしろかったのだそう。 登校途中、公園に寄り道しては、霜柱を探していました。 先生に見せるといって、凍った土の塊を両手で包み込むように持つ姿は、それはそれはかわいかったのです。   ところが、話はそこでは終わりません。 霜柱探しは徐々にエスカレート。 『大きい=すごい』らしく、友達と競い合うように大きく掘り起こし、ドロドロになっているではないですか。 「それ持って学校いくの!?」  美しい思い出とセットでよみがえる当時の私。  今となっては笑い話なのですが。   そんな息子も12年生になり、卒業プロジェクトの最終発表がありました。 1年半かけて向き合ったテーマについて各々20分ほど語るのですが

【2022/2/25】自由への教育vol.8『日常の歌』 (Feb 2022)
『日常の歌』 自由への教育 Vol.8  2022/02/25 「深呼吸のような暮らしのために」 〜歌のある子育て〜     日常の歌 京田辺シュタイナー学校の親子の会『お日さま雨さん』で歌っている片づけや手洗いの歌を紹介します。 昼間に子どもが思いっきり自由に遊んでいる時は「拡散」の時間です。 次の活動に移る前に、おもちゃを片づける時は「集中」の時間です。 空間が気持ちよくなると、心の中も気持ちよくなって次の活動を受け入れる準備が整います。   しかし、いつも遊びから片づけにスムーズに移行できるわけはないと思います。 幼い子どもは大人の外見ではなく内面を模倣します。 つまり、大人がイライラしながら片づけていると、そのイライラした気分を受け取ってしまうのです。   そんな時は、大人が歌いながら楽しんで片づけてみてはいかがでしょうか? 最初は、大人だけが片づけているかもしれません。 でも「片づけ終わるとすっきりして気持ちいい」と大人が心から思っていると、いつかお子さん

【2022/2/4】自由への教育vol.7『クラスだより 5年生』 (Feb 2022)
それぞれがとても個性的で、各々興味を持っているものも得意なことも違う子どもたちですが、このクラスでは、エポック授業となると人気に大きな偏りがあります。 自由への教育 Vol.7  2022/2/4   『どのエポックがいい?』 〜クラスだより5年生〜   それぞれがとても個性的で、各々興味を持っているものも得意なことも違う子どもたちですが、このクラスでは、エポック授業となると人気に大きな偏りがあります。地理や歴史といった社会科系のが好きという子どもが大半で、幾何学や植物学はなんだか人気がありません。担任としては、クラスのこの傾向を大変興味深く思うと同時に、他のエポックも身近に感じてもらえるといいな、楽しめるといいな、そして(欲張りにも)「好き」と感じてくれるといいな、と思うのです。   さて、3学期初めのエポックは2回目の植物学。”非社会科系エポック”です。知らず知らずこちらの準備にも熱が入り、また、植物の世界をどんな風に子どもたちが受け取るかも楽しみにスタートしま

【2022/1/19】自由への教育vol.6『平和のために私ができることを問うてみたい』 (Jan 2022)
こんにちは。2018年3月に卒業いたしました11期生のAです。現在は国際基督教大学(ICU)にて1年目の学びを満喫しています。 自由への教育 Vol.6  2022/1/19   『平和のために私ができることを問うてみたい』   学校報「プラネッツ」99号(2021年3月発行)より   こんにちは。2018年3月に卒業いたしました11期生のAです。 現在は国際基督教大学(ICU)にて1年目の学びを満喫しています。 この度は主に、私が京田辺シュタイナー学校を卒業してから現在に至るまでのことを書かせていただきますが、その前にまず自己紹介がてら、シュタイナー学校での日々について少々触れてみたいと思います。   探究の面白さに気づいた卒業プロジェクト シュタイナー学校での学びにおいて、私にとって特筆すべきは、卒業プロジェクト(卒プロ)です。 卒プロでは、卒業までの1年半自らが選択したテーマに取り組みます。 私のテーマは“歩き旅”で、主に四国遍路を歩きました。 「マイペースが

【2022/1/4】自由への教育vol.5『クラスだより 1年生』 (Jan 2022)
柔らかなきゃしゃな手に、土の塊が大切に 自由への教育 Vol.5  2022/1/4   『クラスだより 1年生』     柔らかなきゃしゃな手に、土の塊が大切に握られていました。 「先生、これ。」白い息をふるえるように吐きながらも、自慢げな目は私を見つめます。 「○○君、おはようございます」という決まり切った言葉と握手など、 そこに入り込む隙はありません。 キラリ。土塊が輝きました。「あ!」 「霜柱!学校に来る途中で見つけてん。」 よく見ると、土塊のそこかしこに氷の粒が見えます。 もしかしたら、この氷を「霜柱」だと勘違いしたのかもしれない・・・と思いながらも、私は嬉しくて、他の子どもたちを集めて、その塊を見せて、触らせました。 というのも、一月のライゲンに「霜柱」という言葉が何度も出てきていたのです。 「外界とまだ一体」とされるこの年齢で、四季の巡りを、どっぷり浸かりながら感じ、 味わってほしいと思いながら、この1年、季節のライゲンを行ってきました。 大真面目で、「環境教育

【2021/12/03】自由への教育vol.4『幼い子どもと過ごす一日』 (Dec 2021)
子どもとのお散歩でたどるおなじみの道、いつもの公園。 自由への教育 Vol.4  2021/12/03   『幼い子どもと過ごす一日』   子どもとのお散歩でたどるおなじみの道、いつもの公園。 遊具よりも、隅っこにある坪庭風の場所が好きで、 来る日も来る日も猫の額ほどの場所で遊んだ。 敷石のような大きな岩は、時に大海原を駈ける船となり、 またある時はごちそうでいっぱいのテーブルとなった。 毎日同じ遊びをしていてよく飽きないな、 と半ば呆れ気味に笑ったこともあった。   子どもと過ごすそんな何気ない時間に、 魔法のような力が秘められていたなんて。   「今日こそは、いつもの時間に寝かしつけをしなくては・・・。」 フルスピードで夕食の片付けをしている間に、気が付くと子どもは遊びに熱中。 また過ぎてゆく「いつもの時間」。 遅くなったからと、寝る前のお話の途中をこっそり少しだけ省略したら、 いつもと違うと気がつかれ、初めからやり直したことが幾度となくあった。 &

【2021/11/12】自由への教育vol.3『ESD(持続可能な開発のための教育)』 (Nov 2021)
本校には、卒業プロジェクトと言って、 自由への教育 Vol.3  2021/11/12   『ESD(持続可能な開発のための教育)』   本校には、卒業プロジェクトと言って、子どもたちが自分で決めたテーマを 高校2年と3年のほぼ2年間かけて探求し、発表するカリキュラムがあります。   今年の春に&#

【2021/11/5】自由への教育vol.2『アントロポゾフィー入門講座を何度でも』 (Nov 2021)
シュタイナー教育を知ってから20年が過ぎました。 自由への教育 Vol.2  2021/11/5   『アントロポゾフィー入門講座を何度でも』   シュタイナー教育を知ってから20年が過ぎました。 図書館で初めてシュタイナー教育が紹介された本を手に取った時に 生まれたばかりの子どもを必&

【2021/10/15】自由への教育vol.1『自由への教育』 (Oct 2021)
喜びを持って生きること 自ら考え、自分の行動に責任をもち、 自由への教育 Vol.1  2021/10/15   『自由への教育』     喜びを持って生きること 自ら考え、自分の行動に責任をもち、社会の力となっていける人 自分らしく、生き生きと世界に関わっていける人 私たちは、子ど




NPO法人 京田辺シュタイナー学校
〒610-0332 京都府京田辺市興戸南鉾立94
ニュースレターに登録